佐竹の乱

佐竹の乱

佐竹の乱（さたけのらん）は、14世紀から15世紀にかけて、日本の常陸国で勃発した一連の争いを指します。この乱は、主に佐竹宗家とその庶流である山入氏との間で繰り広げられました。別名として山入の乱や山入一揆とも呼ばれるこの乱は、約100年にわたって続いたとされています。この期間における争乱は、佐竹宗家の権力を一時的に弱める要因ともなりました。

山入氏の起源

山入氏の起源は、佐竹貞義の子、佐竹義篤の弟にあたる佐竹師義に遡ります。彼は「観応の擾乱」と呼ばれる戦において名を馳せ、その戦功により、彼の子である与義が山入、小田野、高柿、松平などの地域を与えられ、山入氏を名乗るようになりました。これが後の佐竹と山入の対立のきっかけとなります。

乱の発端

この乱のきっかけは、西暦1407年に義篤の孫である義盛が死去したことに始まります。義盛には嗣子がおらず、上杉氏から入嗣を受けることとなりましたが、この際、山入氏やその一族の長倉氏は、佐竹家に藤原姓の養子が入ることに強く反発しました。反対を押し切る形で、関東管領の山内上杉憲定の子である義憲を迎えることになりました。

上杉禅秀の乱

この頃、鎌倉公方の足利持氏と関東管領の上杉氏の間で対立が深まり、「上杉禅秀の乱」が発生します。上杉氏憲が罷免された後、義理の兄である義基が新たな管領に就任。山入氏は上杉氏憲側に立ち、出自的に鎌倉府と関係の深い佐竹氏は持氏側に従うこととなりました。この争いは上杉氏憲の敗北と自害によって終息しましたが、山入氏は足利持氏に降伏し、佐竹氏の支族である稲木氏や長倉氏は持氏に対して反抗を続けました。この状況下で、佐竹義憲は持氏の命により反乱勢力を鎮圧し、一時的に常陸国は安定を見せました。

イベントの移り変わり

山入氏の義憲は常陸守護に任命されましたが、後に鎌倉で殺害されます。その後を義郷が引き継ぎ、さらにその後に祐義が家督を継ぎました。次第に幕府と鎌倉公方との間で移り変わる状況の中、永享の乱が発生しました。持氏は自殺し、義憲は隠居の道を選び、家督は義従へと譲られました。

対立の激化

15世紀末に入ると、佐竹氏と山入氏の間で衝突が繰り返され、特に佐竹氏の義治が亡くなると、その跡を義舜が継ぐことになります。その直後、山入氏とその一族、さらには水戸氏も加わって、佐竹氏の本拠地である太田城を襲撃しました。義舜は孫根城に逃げましたが、山入氏の義藤が死去したため、和議への道が開かれます。岩城氏の仲介による和議で、氏義は小野崎・江戸氏との関係を断ち、義舜と岩城氏に同調することを誓いました。

しかし、その後も山入氏は太田城を明け渡さず、逆に孫根城を攻め立てて義舜を追い込むこととなります。結果として、山入氏は敗北し、義舜は徐々に勢力を回復し、太田城の奪還に成功しました。最終的に、山入氏の義は本拠の国安城で捕えられ、下野国茂木にて、子の義盛とともに斬首されました。これにより、佐竹氏と山入氏との長い衝突に終止符が打たれることとなりました。

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