佐竹義憲

佐竹義憲は、元亀元年（1570年）に生まれ、慶長4年4月20日（1599年6月12日）に30歳で亡くなった、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将です。佐竹北家の第5代当主であり、父は佐竹義斯、母は額田下野守従通の娘です。幼名は又七郎、後に左衛門督を称しました。また、北義憲とも呼ばれていました。

佐竹義憲は、佐竹義久の後を継いで、奥州方面の軍権を任されました。また、佐竹義重の三男である岩城貞隆の補佐役であった岡本顕逸が病死すると、天正19年（1591年）には、その後任として岩城氏の政務を執り行うことになりました。義憲は岩城氏の領内において検地などを実施し、その支配体制の確立に尽力しました。

義憲は、父・義斯の死からわずか2日後に亡くなっています。若くして亡くなったものの、その間、佐竹氏のために大きく貢献しました。法名は傑山大英です。跡は嫡男の義廉（よしかど）が継ぎました。

また、義憲は梅津憲忠と親交があり、憲忠に「憲」の一字を与えたことが知られています。さらに、義憲の嫡男である義廉も、憲忠の子に「廉」の一字を与え、廉忠と名乗らせています。このことから、両家の間には深い信頼関係があったことが伺えます。

参考文献

原武男・編『新編佐竹氏系図』加賀谷書店（1973年）
渡辺喜一・編『新編佐竹七家系図』加賀谷書店（1993年）


佐竹義憲は、短くも激動の時代を駆け抜けた武将であり、その功績は佐竹氏の歴史において重要な位置を占めています。彼の存在は、当時の武士の生き様や、戦国時代から江戸時代への移行期における大名の動向を理解する上で、貴重な資料となっています。

もう一度検索