佐竹義拠

佐竹義拠（さたけ よしより）

佐竹義拠は、江戸時代中期に活躍した武士であり、佐竹氏の一門である佐竹北家の第11代当主です。また、佐竹北家が領有していた角館の第4代所預（ところあずかり）も務めました。

生涯

元禄16年（1703年）、佐竹義命（さたけ よしなが）の子として生まれます。幼少の頃から武士としての教育を受け、正徳4年（1714年）に初めて藩に出仕し、この時に名を義拠と改めました。享保11年（1726年）には、父・義命の死去に伴い家督を相続し、佐竹北家の当主となります。

家督を継いだ義拠は、久保田藩（秋田藩）の角館城代に就任し、領内の政治や軍事を統括する役割を担いました。角館は、久保田藩の重要な拠点の一つであり、義拠はその城代として、藩の安定に大きく貢献しました。義拠は、藩主の代理として、領内の訴訟の解決や年貢の徴収、治安維持など、多岐にわたる業務を遂行しました。また、城下町の整備や、領民の生活向上にも尽力しました。

寛延3年（1750年）、義拠は家督を養子の佐竹義邦（さたけ よしくに）に譲り、隠居しました。この時、義拠は48歳でした。隠居後は、角館の地で静かな余生を過ごしたと考えられます。

宝暦6年（1756年）、義拠は54歳でこの世を去りました。義拠の死後、佐竹北家は、養子の義邦によって受け継がれました。義拠は、その生涯を通じて、佐竹氏の発展と領民の生活安定に尽力した人物として、後世に名を残しています。

人物

義拠は、文武両道に秀でた人物であったと伝えられています。武術の腕前はさることながら、学問にも造詣が深く、多くの書物を読み、知識を深めました。また、温厚で誠実な人柄であり、領民からの信頼も厚かったとされています。

義拠が城代を務めた角館は、現在も武家屋敷が残る歴史的な町として知られています。義拠が整備に携わった城下町は、その後の歴史を経て、現在も多くの人々を魅了しています。

佐竹北家について

佐竹北家は、佐竹氏の一門であり、佐竹氏本家を補佐する役割を担っていました。佐竹北家は、久保田藩の成立に大きく貢献し、藩政においても重要な役割を果たしました。

まとめ

佐竹義拠は、佐竹北家の当主として、また角館城代として、その生涯を領国経営に捧げた人物です。彼の功績は、現在の角館の歴史的な景観にも色濃く反映されています。

脚注

* 林正崇『図説・角館城下町の歴史』無明舎出版、1982年

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