佐竹義命

佐竹義命（さたけよしかた）は、江戸時代前期に活躍した武士であり、佐竹氏の一門である佐竹北家の第10代当主です。また、佐竹北家が領有した角館の第3代所預（しょあずかり）も務めました。

義命は、公家である高倉家出身の祖父・義隣や、同じく公家である三条西家出身の母の影響を強く受け、幼少の頃から高い教養を身につけました。そのため、義命自身も書画や俳諧、和歌といった文化的な分野に優れた才能を発揮し、その才能は子孫にも受け継がれ、代々の当主が文化的な活動に力を注ぎました。

寛文7年（1667年）に、佐竹義明の長男として生まれた義命は、貞享4年（1687年）には、父である義明とともに東山天皇の即位を祝う使者として上洛しました。京都では、親戚にあたる公家衆と交流し、見識を広めました。元禄12年（1699年）に父・義明が亡くなると、家督を相続し、佐竹北家の当主となりました。

藩主である佐竹義格に仕えた義命は、領内の銀山開発などに尽力しました。また、宝永元年（1704年）には、幕府の御目付衆が角館を巡見した際に、その饗応役を務め、その手腕を発揮しました。享保11年（1726年）に60歳で亡くなり、家督は嫡男の義拠が相続しました。

義命の生涯は、武士としての職務を果たす一方で、公家出身の血筋を受け継ぎ、文化人としても活躍したものでした。その教養や文化的な才能は、佐竹北家の歴史において重要な役割を果たしました。

参考文献
林正崇『図説・角館城下町の歴史』無明舎出版、1982年

外部リンク
秋田県公文書館 古文書倶楽部「天皇即位の祝賀使者」

もう一度検索