佐竹義治

佐竹義治（さたけ よしはる）

佐竹義治は、室町時代に活躍した武将であり、常陸国の守護大名である佐竹氏の第14代当主です。常陸太田城を居城とし、激動の時代を生き抜きました。

生涯

当時の佐竹氏は、一族の山入氏との対立や、関東管領上杉氏、鎌倉公方（古河公方）からの度重なる干渉により、衰退の一途を辿っていました。父である佐竹義俊は、享徳元年（1452年）に居城を追われ、大山氏を頼るという苦境に立たされました。この時、義治は那珂郡斧沼の要害（那珂西城）に拠点を移しています。

応仁元年（1467年）11月、義治は父と共に太田城に帰還を果たし、文明9年（1477年）に父が亡くなると家督を継承しました。しかし、佐竹氏の内部抗争は収まらず、古河公方と通じた佐竹入家当主の佐竹義知が、久米城の久米義武を攻撃するという事態に発展します。一時、義武が戦死するなど苦戦を強いられますが、義治は岩城氏など周辺勢力の支援を得て、最終的に義知を討ち果たしました。

山入氏の脅威が去ったのも束の間、佐竹氏の弱体化を知った岩城氏の岩城常隆が侵攻を開始します。車城や竜子山城など、佐竹方の城は次々と陥落し、一時、常陸太田城も危機に晒されました。しかし、義治は岩城氏に車城を含む三城を割譲し、さらに子の義舜の妻に常隆の妹を迎えることで和議を結びました。

1489年には、山入家を継いでいた佐竹義藤の要請により、伊達氏、蘆名氏、白河結城氏が佐竹氏の領土に侵攻しました。この危機に対して、義治は家老の小野崎通綱（小野崎氏）の活躍により、見事にこれを退けました。

延徳2年（1490年）、義治は48歳で死去し、天徳寺に葬られました。家督は子の義舜が継ぎました。

系譜

父：佐竹義俊
母：花渓妙栄禅定尼 - 小山大膳大夫の娘
正室：冨春妙栄禅定尼（1446-1515）- 大山常金の娘
子
次男：佐竹義舜（1470-1517）- 佐竹氏第15代当主
三男：久米義武（1473-?） - 久米城に入る。法名・明窓浄光
三女：長源妙久（1474-?）- 石塚義親に嫁ぐも、間もなく死去
四男：佐竹義信（1476-1533）- 佐竹北家の祖。法名・超岩道祟
四女：先室昌寿（1482-?）- 三女の没後に同じ石塚義親に嫁す
五男：佐竹政義（1484-1534） - 佐竹東家の祖。法名・天叟常清
妾
長男：佐竹周義（1463-?）- 仏門に入り、増井竹宗と称する
長女：蘭渓（1466-?） - 小野岡義森の妻
次女：伝燈院月渓妙清（1469-?） - 小場義積の妻

参考文献

堀田正敦 編「国立国会図書館デジタルコレクション 佐竹氏」『寛政重修諸家譜』。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2577323/33 国立国会図書館デジタルコレクション。
七宮涬三『常陸・秋田佐竹一族　新装版』

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