佐竹義睦

佐竹義睦について

佐竹義睦（さたけ よしちか）は、江戸時代後期に活躍した大名で、出羽国秋田藩（久保田藩）の第11代藩主です。佐竹氏の第29代当主でもあります。幼名は雄丸、通称は次郎と名乗っていました。官位は従四位下・侍従、右京大夫です。

生涯

佐竹義睦は、第10代藩主・佐竹義厚の次男として生まれました。母は阿部氏（松仙院、松操院）です。

弘化3年（1846年）11月4日、父・義厚の死去に伴い、家督を相続し、藩主となりました。安政元年（1854年）10月15日には、13代将軍・徳川家定に御目見えを許されます。同年12月16日には従四位下侍従、右京大夫に叙任され、名実ともに藩主としての地位を確立しました。

安政2年（1855年）5月11日、初めてお国入りを果たします。同年10月10日には、藩政の実権を握っていた家老の佐藤源右衛門に蟄居を命じ、その一派も処罰しました。これは、藩政の主導権を藩主である義睦自身が握ろうとした動きでした。また、義睦は海防警備の強化や、織物業を中心とした新産業の奨励など、藩の発展にも力を注ぎました。

安政4年（1857年）3月28日、土佐藩主・山内豊資の娘である悦子と結婚。同年5月20日には二度目のお国入りをします。しかし、その翌日の5月21日、一門の佐竹義矩（佐竹東家当主、相馬樹胤の五男）が、蟄居させられた佐藤源右衛門らの復権を画策するクーデター未遂事件を起こします。この事件はすぐに鎮圧されましたが、義睦自身も6月3日に発病し、7月1日、秋田で死去しました。享年19という若さでした。法号は憲諒院文岳仁裕。墓所は秋田県秋田市泉三嶽根の天徳寺にあります。

正室には悦子（諒鏡院）を迎えていましたが、子女には恵まれませんでした。そのため、末期養子として久保田新田藩主の佐竹義堯（初名・義核、後に義就、義堯と改名）を迎え、家督を相続させました。

系譜

父：佐竹義厚（1812-1846）
母：見崎（松仙院、松操院）（1810-1868） - 阿部氏
正室：悦子（諒鏡院）（1840-1916） - 山内豊資の娘
養子：男子：佐竹義堯 - 相馬益胤の三男

偏諱を受けた人物

早川睦友（一門）
多賀谷睦貞（多賀谷厚孝の次男）
* 多賀谷睦昭（多賀谷厚孝の三男、のち家知に改名）


佐竹義睦は、若くして藩主となり、藩政改革に尽力しましたが、その生涯は短いものでした。しかし、彼の遺志は後継者たちに受け継がれ、久保田藩の発展に繋がっていきました。

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