佐竹義隣

佐竹義隣（さたけ よしちか）

佐竹義隣は、江戸時代前期から中期にかけての武将で、佐竹氏一門である佐竹北家の8代目当主を務めました。また、佐竹北家角館初代所預（しょあずかり）としても知られています。

生い立ちと佐竹北家再興

義隣は、権大納言・高倉永慶（たかくら ながよし）の次男として誕生しました。佐竹北家は、先代当主であった佐竹義直（さたけ よしなお）が宗家の世嗣となったことで、元和7年（1621年）に一度断絶していました。しかし、義隣の母が佐竹義宣（さたけ よしのぶ）の妹であった縁から、寛永5年（1628年）に義隣が北家を相続し、家を再興することとなりました。

角館所預としての活躍

明暦2年（1656年）には、断絶した蘆名（あしな）氏に代わり、義隣は角館所預（城代）となり、3,600石を領しました。義隣は、故郷である京都を懐かしみ、角館の山や川に「小倉山（おぐらやま）」や「加茂川（かもがわ）」といった京にちなんだ名前を付けたことで知られています。

隠居とその後

天和元年（1681年）、義隣は隠居し、家督を嫡男である佐竹義明（さたけ よしあき）に譲りました。

系譜

父：高倉永慶
母：佐竹義重娘
正室：佐竹義直娘
長男：佐竹義明
義明以降、佐竹北家は、義命、義拠、義邦、義躬、義文、義術、義許、義倫と続き、幕末には義尚の代に男爵となりました。しかし、孫の敬治郎が爵位を返上しています。なお、現在の秋田県知事である佐竹敬久は、敬治郎の外孫にあたります。
次男：佐竹義秀
東家を継いだ弟・義寛（よしひろ）の養子となり、東家を相続しました。義秀の孫である義道（よしみち）（義秀の長男・義本の子）は、佐竹壱岐守家を相続し、秋田新田藩主となりました。
義道の長男・義明は本家である久保田藩主家を相続し、次男・義敏は新田藩を相続しました。また、四男は蜂須賀家に養子入りし、蜂須賀重喜（はちすか しげよし）と名乗り、徳島藩主となりました。
生母不明の子女
女子：多賀谷隆経室（たがや たかつねしつ）
* 女子：戸村義般室（とむら よしつねしつ）


佐竹義隣は、一度断絶した佐竹北家を再興し、角館の地を治めた人物として、その名を歴史に刻んでいます。

もう一度検索