佐藤謙

佐藤謙の経歴と人物像

佐藤謙（さとう けん）は、1943年11月17日生まれの日本の官僚です。大蔵省と防衛庁で要職を歴任し、特に防衛事務次官としての業績が知られています。

生い立ちと学歴

東京都立両国高等学校を経て、1966年に東京大学法学部を卒業しました。

大蔵省でのキャリア

1966年、大蔵省に入省。同期には中山恭子、武藤敏郎などがいます。主税局国際租税課を皮切りに、名古屋国税局調査査察部、大臣官房調査企画課、主計局総務課などを経て、主計局では予算編成に携わりました。防府税務署長、理財局国債課課長補佐なども務め、1980年代には主計局主計官補佐として、農林水産や公共事業の予算を担当しました。その後、東京国税局間税部長、国務大臣秘書官事務取扱などを経て、1985年に大蔵省主計局主計官に就任。1987年には大蔵省主計局法規課長、1988年に大蔵省理財局資金第一課長、1990年に大蔵省理財局総務課長に就任しました。

防衛庁でのキャリア

1993年、防衛庁に移り、長官官房防衛審議官、教育訓練局長、経理局長、防衛局長を歴任し、2000年には防衛事務次官に就任。在任中には、海上自衛隊スパイ事件への対応、自衛隊の海外派遣、アメリカ同時多発テロ後のアフガニスタン侵攻に対する後方支援など、重要な政策決定に関与しました。2002年に退官。

退官後の活動

退官後は、都市基盤整備公団副総裁、公益財団法人世界平和研究所理事長・副会長などを務めました。2009年には安全保障と防衛力に関する懇談会専門委員に就任。2014年からは日本テレビホールディングス株式会社と日本テレビ放送網株式会社の社外取締役を務めています。2015年春の叙勲では、瑞宝重光章を受章。

人物

佐藤謙は、大蔵省と防衛庁という異なる官庁で要職を歴任した稀有な官僚です。大蔵省では予算編成、防衛庁では安全保障政策に携わり、幅広い分野で高い専門知識と経験を持っています。また、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員を務めるなど、近年も政策形成に関わっています。

その他

一般社団法人市ヶ谷論壇会長も務めており、2018年には公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所顧問に就任しています。

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