佐藤雅彦 (美術史家)

佐藤雅彦

佐藤雅彦（さとう まさひこ、1925年10月10日 - 1988年3月23日）は、日本の美術史家であり、特に陶磁器研究において多大な功績を残した人物です。彼の研究は、東洋美術史、とりわけ中国と日本の陶磁史に焦点を当てたもので、その分野における深い知識と情熱は、多くの研究者や愛好家に影響を与えました。

来歴

東京で生まれた佐藤雅彦は、慶應義塾大学文学部芸術学科を卒業後、1951年に大阪市立美術館の学芸員としてキャリアをスタートさせました。彼はそこで学芸課長を務め、展示や研究活動を通じて、美術品の普及と理解に貢献しました。1972年には、京都市立芸術大学の教授に就任し、後進の育成に尽力しました。1980年には同大学の学長に選ばれ、教育機関の長としてもその才能を発揮しました。晩年には、北海道立近代美術館の館長を務め、地域文化の振興に貢献しました。

業績

佐藤雅彦の業績は、数多くの著書や研究論文に結実しています。彼の著作は、陶磁器に関する深い知識と洞察に満ちており、研究者だけでなく、一般の読者にも陶磁器の魅力を伝えるものとなっています。

著書

『陶器全集 第9巻 漢・六朝の土偶』平凡社 1958
『中国の土偶』美術出版社 1965
『乾山』三彩社 1970
『茶道美術全集 第1 茶碗 中国・朝鮮』求竜堂 1970
『陶磁大系 34 中国の土偶』平凡社 1972
『陶器講座 12 中国 4 清』雄山閣出版 1975
『陶磁大系 37 白磁』平凡社 1975
『中国陶磁史』平凡社 1978
『中国やきもの案内』平凡社カラー新書 1979
『やきもの入門』平凡社 1983

共編著

『陶器講座 7 中国 3 元・明』雄山閣出版 1971
『中国美術 第3巻 彫塑』講談社 1972
『茶碗の見方 改訂増補』徳間書店 1973
『日本陶磁全集 28 乾山・古清水』中央公論社 1975
『日本のやきもの 23 乾山』講談社 1975
『世界陶磁全集 11 隋・唐』小学館 1976
『日本陶磁全集 17 唐津』中央公論社 1976
『日本陶磁全集 19 薩摩』中央公論社 1978
『日本のやきもの=現代の巨匠 18 近藤悠三』講談社 1978
『世界陶磁全集 15 清』小学館 1983

翻訳

『東洋陶磁大観 第8巻 ギメ美術館』講談社 1975
『東洋陶磁大観 第9巻 ストックホルム東アジア博物館』講談社 1976
『東洋陶磁大観 第4巻 イラン国立考古博物館』講談社 1978
ダントルコール『中国陶瓷見聞録』平凡社 1979

これらの著作群は、佐藤雅彦の研究成果を示すものであり、陶磁器研究における重要な参考文献として、今日でも広く活用されています。

まとめ

佐藤雅彦は、日本の美術史、特に陶磁器研究において、多大な貢献を果たした人物です。彼の研究は、陶磁器の歴史的背景や文化的意義を明らかにし、多くの人々にその魅力を伝えました。彼の業績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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