佐賀昇博

佐賀昇（さがのぼり ひろし）

佐賀昇は、1961年11月27日に佐賀県で生まれた元大相撲力士です。本名を林博といい、現役時代の体格は192cm、119kg。左四つからの下手投げを得意としていました。

生い立ちと入門

佐賀は幼い頃に両親を亡くし、姉と弟と共に児童養護施設「済昭園」で育ちました。中学3年生の頃には身長が184cmに達し、その体格が目を引いたそうです。中学校近くのラーメン店店主と、同郷の押尾川親方（元大関・大麒麟）との縁から、何度も相撲界への入門を勧められました。当初、相撲には全く興味がなかったものの、九州場所見学や部屋でのもてなしを受けるうちに、入門を決意。1977年3月場所に15歳で初土俵を踏みました。

力士としての道のり

同期には、同じ押尾川部屋の騏ノ嵐と恵那櫻がおり、3人全員が後に幕内まで出世しています。施設出身で帰る場所がなかったため、厳しい稽古にも耐え、相撲を辞めたいと思ったことは一度もなかったといいます。1986年9月場所に十両へ昇進し、1988年11月場所には新入幕を果たしました。常に気力溢れる相撲を見せ、左四つからの下手投げを得意としましたが、体の細さから幕内では通用せず、新入幕の場所では大きく負け越して1場所で十両に降格。幕内在位はこの1場所のみでした。

その後は腰を痛め、番付を大きく下げ、二度の手術も経験しました。1993年には序二段まで陥落しましたが、その後幕下まで番付を戻し、1996年1月場所で34歳で引退しました。

引退に際し、「全国の施設の子どもたちに夢を与えられたのが一番の誇り」と語り、断髪式では師匠の押尾川が止め鋏を入れました。

現在

引退後は、東京都中央区銀座と大阪市中央区西心斎橋で相撲料理店「相撲茶屋 佐賀昇」と「すもうキッチン 佐賀昇」を経営しています。また、親代わりであった押尾川の墓参りを欠かさないそうです。

主な成績

現役在位：113場所
通算成績：516勝497敗35休
幕内在位：1場所
幕内成績：5勝10敗
十両在位：31場所

エピソード

九州場所で新入幕を果たした際、自らが育った施設を訪問し、子供達を励ました。
1989年2月には、日本大相撲トーナメント十両の部で優勝を果たす。
1990年代初期、二子山理事長による講義で、悪い立合いの見本として佐賀昇の取組が紹介された。

改名歴

大林 博（1977年5月場所-同年7月場所）
佐賀昇 博（1977年9月場所-1992年11月場所）
* 佐嘉昇 博（1993年1月場所-1996年1月場所）


佐賀昇は、逆境にも負けず努力を続けた力士であり、引退後もその経験を活かし、相撲界への貢献を続けています。

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