体感ゲーム

体感ゲームとは

体感ゲームとは、プレイヤーが自身の体の動きを入力装置として使用するコンピュータゲームのジャンルです。体を動かすことでゲーム内のキャラクターを操作したり、ゲームの世界とより一体感を得たりすることができます。このジャンルは、ゲームのエンターテイメント性を高めるだけでなく、プレイヤーの運動を促す効果も期待されています。

体感ゲームの歴史

体感ゲームのルーツは、1985年にセガ（後のセガ・インタラクティブ）がアーケードゲームとして発売した『ハングオン』に遡ります。しかし、「体感ゲーム」という用語が広く使われるようになったのは、翌1986年に同じくセガから発売された『エンデューロレーサー』からです。

アーケードゲーム

アーケードゲームにおける体感ゲームは、大型筐体を使用することが特徴です。セガは1985年にアーケードでリリースした『ハングオン』を世界初の体感ゲームとしており、1985年から1989年頃がアーケード体感ゲームの全盛期でした。当時のゲームセンターでは、バイクや自動車の運転を模した体感ゲーム機が人気を集め、多くのプレイヤーがその臨場感を楽しんでいました。

コンシューマゲーム

家庭用ゲーム機においても、1980年代から体感ゲームを可能にする周辺機器が登場しました。ファミリーコンピュータ用周辺機器「ファミリートレーナー」（1986年）はその代表例です。PlayStation 2の「EyeToy」（2004年）やXbox 360の「Kinect」（2010年）のような汎用コントローラーも存在しますが、Xbox用ゲームソフト『鉄騎』（2002年）の専用コントローラのように、特定のゲーム専用のコントローラもあります。

体感ゲームに特化したコントローラを標準で添付した最初のゲーム機はWii（2006年）で、その標準コントローラである「Wiiリモコン」は、ゲームコントローラの新しい形を提示しました。その後、Nintendo Switch（2017年）も「Joy-Con」という体感ゲームに適したコントローラを標準搭載しています。

プラグ&プレイ型体感ゲーム機

プラグ&プレイ型体感ゲーム機は、ハードウェアとソフトウェアが一体化しており、ソフトウェアを交換して遊ぶタイプのゲーム機とは異なります。これらのゲーム機は、主に玩具として扱われ、3、4歳から遊べるなど、低年齢層向けの製品が多いのが特徴です。

2000年代前半にはプラグ&プレイ型体感ゲーム機のブームがありました。当時、家庭用ゲーム機で体感ゲームを遊ぶことが一般的でなかったため、この形態で発売されました。しかし、2006年に任天堂Wiiが発売されたことでブームは下火になりました。

2000年代前半にブームとなった体感ゲーム機は、新世代株式会社のXaviXテクノロジーを基盤としたものが多く、エポック社の『TVにつないですぐプレイ』シリーズ、タカラの『PlugIt!』シリーズ、トミーの『テレビで遊び隊』シリーズ、バンダイの『Let's! TV プレイ』シリーズ、スクウェア・エニックスの『剣神ドラゴンクエスト甦りし伝説の剣』などがその例です。これらのXaviX系プラグ&プレイ型体感ゲーム機は、ACアダプタを共通で使用することができました。

XaviX系以外にも、コナミとハドソンが共同開発したチップ「POEMS」を採用したコナミの『PLAY-POEMS』シリーズなどがありました。新世代株式会社が発売した「XaviXPORT」は、アメリカ市場への進出のために開発された体感ゲーム機で、ゲームソフトが交換可能なコンシューマゲーム機に近い形式を採用していました。しかし、2006年に任天堂がWiiを発売した後、市場は低迷し、新世代株式会社は2022年に倒産しました。XaviXPORTは、当初「フィットネス機器」として販売されていましたが、ゲーム史では「コンシューマゲーム機」として扱われることが多いです。

携帯電話ゲーム

携帯電話ゲームの分野でも、2007年頃から加速度センサーや音声入力を用いた体感ゲームが登場しました。フィーチャーフォン時代には、NTTドコモが「直感ゲーム」という名称で、KDDIも体感ゲームを提供していました。

体感ゲームの進化

体感ゲームは、アーケードゲームから始まり、家庭用ゲーム機、プラグ&プレイ型ゲーム機、そして携帯電話ゲームへとその範囲を広げてきました。コントローラの進化とともに、より直感的で臨場感あふれるゲーム体験を提供するように進化を続けています。今後も新しい技術の登場により、さらに多様な体感ゲームが登場することが期待されます。

まとめ

体感ゲームは、体を動かすことによってゲームへの没入感を高める、ユニークなゲーム体験を提供するジャンルです。その歴史は古く、アーケードゲームから始まり、家庭用ゲーム機や携帯電話ゲームなど、様々なプラットフォームで展開されてきました。それぞれのプラットフォームで独自の進化を遂げ、今後も新たな技術を取り入れながら、更なる発展を遂げていくことでしょう。

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