余巌

余巌（よ がん）

余巌（生年不詳 - 385年）は、五胡十六国時代の後燕に仕えた人物であり、夫余の出身です。

生涯

後燕に仕え、建節将軍という役職に任じられていました。

385年7月、余巌は後燕に対して反乱を起こします。4千人以上の人々を扇動し、武邑から幽州に向けて進軍しました。燕王の慕容垂は、幽州を守備する平規に防戦を命じましたが、平規は出撃してしまい、余巌に敗北を喫しました。勢いに乗る余巌は薊に入り、1000戸以上の家々から略奪を行い、その後、令支に拠点を構えました。

同年8月、事態を重く見た慕容垂は、驃騎大将軍の慕容農を蠮螉塞から凡城を経由させ、龍城へ向かわせます。そして、龍城の兵力と合流させ、余巌討伐を命じました。

11月、慕容農は龍城に到着すると、騎馬や兵士を十日以上休ませました。これに対し、諸将がその意図を尋ねると、慕容農は「余巌軍は烏合の衆であり、規律も統制も取れていない。兵士たちは既に離散を始めている。焦らず、好機を待ち、一気に攻め込む」と答えました。そして、歩兵と騎兵合わせて3万の兵を率いて、ついに令支を攻撃しました。この慕容農軍の進攻に、余巌軍の兵士たちは大いに驚き、恐れを抱き、次々と城から逃げ出して帰農する者が続出しました。追い詰められた余巌はついに降伏を決意しますが、兄弟と共に処刑されるという悲惨な結末を迎えました。

参考文献

『晋書』巻123
『資治通鑑』巻106
* 『十六国春秋』巻44

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