保坂知寿

保坂知寿：日本のミュージカル界を彩る名女優

保坂知寿（ほさか ちず）は、1962年2月13日生まれ、東京都出身のミュージカル女優です。その才能は早くから開花し、劇団四季時代から数々の主要な役柄を演じ、観客を魅了してきました。退団後も舞台を中心に活躍し、日本のミュージカル界において確固たる地位を築いています。

劇団四季での輝かしい足跡

保坂知寿がミュージカルの世界に足を踏み入れたのは、大妻高校3年生の夏に劇団四季の夏期研修会に参加したことがきっかけでした。その後、劇団四季付属研究所に入所し、1980年に18期生として劇団四季に入団しました。

入団2年目の1981年、19歳という若さで『オンディーヌ』のタイトルロールであるオンディーヌ役に抜擢され、デビューを果たします。水曜マチネのみの出演でしたが、三田和代と対等に演じ、その才能は瞬く間に注目を集めました。翌年の『ハムレット』では、再び三田和代とオフィーリア役で競演し、日本演劇界を驚かせました。

演技力に加え、抜群のリズム感と確かな歌唱力を兼ね備えた保坂知寿は、『コーラスライン』のヴァル役、『キャッツ』日本初演のグリドルボーン役、1986年『ウエスト・サイド物語』のアニタ、マリア役など、数々の作品で高評価を得ました。1988年には、『オペラ座の怪人』日本初演のクリスティーヌ役、そして同時期に企画された『夢から醒めた夢』のピコ役で、その人気を不動のものとしました。その後も数々の難役をこなし、野村玲子と並び、劇団四季の看板女優として活躍しました。2002年からは『マンマ・ミーア!』に主演し、同年4月には主演500回を達成しています。

しかし、2006年、劇団四季を休団。同年12月末をもって劇団との契約を終了し、正式に退団しました。劇団四季では、『キャッツ』『コーラスライン』『女房学校』『ウエスト・サイド物語』『クレイジー・フォー・ユー』『アスペクツ オブ ラブ』『ミュージカル李香蘭』『ミュージカル異国の丘』『夢から醒めた夢』など、数多くの作品に出演しました。

退団後の活躍

劇団四季退団後、保坂知寿は同じ劇団四季出身の俳優である山口祐一郎の所属事務所、ロックリバーへ移籍しました。退団後初の舞台は、2008年7月にシアタークリエで公演された主演作『デュエット』でした。その後も、『スーザンを探して』、『パイレート・クイーン』などに出演し、その才能を発揮しました。

2009年、舞台『デュエット』と『スーザンを探して』での演技が評価され、第34回菊田一夫演劇賞を受賞しました。

近年の主な出演作品としては、『ブレイキング・ザ・コード』、『地球ゴージャス三十周年記念公演「儚き光のラプソディ」』、『ライムライト』、『Silent Sky』、『ホリデイ・イン』、『ジェイミー』などがあります。また、テレビドラマ『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』や、アニメーション『ノートルダムの鐘』（エスメラルダ役）など、舞台以外のメディアでも活躍しています。

保坂知寿は、その卓越した才能と努力によって、日本のミュージカル界を代表する女優としての地位を確立しました。今後も彼女の活躍から目が離せません。

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