保科洋

保科洋（ほしな ひろし）

保科洋（1936年1月31日 - ）は、日本の作曲家、編曲家、指揮者として知られています。特に吹奏楽の分野において、その名を知らない人はいないほど、重要な作曲家の一人です。

人物・来歴

東京都に生まれた保科洋は、1960年に東京芸術大学作曲科を卒業しました。作曲を長谷川良夫に、指揮法を渡邉暁雄に師事し、音楽家としての基礎を築きました。卒業制作は第29回毎日コンクール作曲部門（管弦楽）で第1位を受賞するという快挙を成し遂げています。

作曲活動の傍ら、教育者としても長年にわたり貢献しました。東京音楽大学、愛知県立芸術大学、兵庫教育大学で教鞭を執り、後進の育成に尽力。現在は、兵庫教育大学名誉教授、作陽音楽大学客員教授、浜松アクト音楽院音楽監督を務めています。また、日本バンドクリニック委員会名誉顧問としても、日本の吹奏楽界を支えています。

保科洋の作品は、管弦楽曲、オペラ、室内楽、ミュージカルなど多岐にわたりますが、特に吹奏楽曲は日本を代表する作品として広く親しまれています。

管弦楽の分野では、1966年から岡山大学交響楽団の常任指揮者を務め、同団を全国的な水準へと引き上げました。また、保科アカデミー室内管弦楽団“アンサンブル＝ハルモニア”（岡山大学交響楽団OBによる室内楽団）の名誉指揮者および音楽総監督も務めています。

東京芸術大学の同級生であった作曲家の兼田敏とは、吹奏楽の普及に共に尽力しました。2009年には、管弦楽作品であるホルン協奏曲「巫女の舞」が、イタリアのポルチア国際ホルンコンクール本選の課題曲に選ばれるなど、国際的にも高い評価を受けています。

保科洋の吹奏楽曲は、全日本[[吹奏楽コンクール]]の自由曲やコンサートで頻繁に取り上げられ、「復興」「風紋」「古祀」といった作品は特に人気があります。全日本[[吹奏楽コンクール]]課題曲としても過去に4度採用されており、その全てが全日本[[吹奏楽連盟]]からの委嘱作品であるという点も特筆に値します。

神奈川大学吹奏楽部の演奏会にも客演指揮として度々出演し、2018年までに4回の共演を果たしています。

2015年11月には、長年の功績が認められ瑞宝中綬章を受章しました。

主な作品

保科洋の作品は多岐にわたりますが、代表的な作品として以下が挙げられます。

管弦楽作品

オーケストラのための「寂」
祀
祝典舞曲
オーケストラのための「饗宴」
創生の詩
管弦楽のための変奏曲
Jubilant prelude「祝祭前奏曲」
Requiem 〜ある青年の死を悼んで〜
独奏ホルンのための管弦楽作品「巫女の舞」
「はだしのゲン」管弦楽セレクション
風紋（原典版）[管弦楽版]
懐想譜 [管弦楽版]
復興 [管弦楽版]

吹奏楽作品

古祀
愁映
吹奏楽のためのカタストロフィ
吹奏楽のためのカプリス
交響的断章
懐想譜
五月によせて
風薫る五月に
秋空への賛歌
交響曲
イルミナッシォン《若き日への蜃気楼》
コンサート・マーチ「アンタルスの王子」
コンサート・マーチ「クリスタル・ロード」
シンフォニック・オード
リフレクション－映像－
ファンファーレとセレブレーション
栄光を超えて
響宴I
響宴II
吹奏楽のための交響的変容「澪明」
独奏テューバと管楽合奏のためのコンチェルティーノ
遙かなる歌
Lamentation To ──(Theme and Variations)
パストラーレ
マリンバとバンドの為のカプリス
椛（はなのき）
そよ風（マーチ）
メモワール
碧き彼方へ
音づくりのエチュード
復興
オルランド・ディ・ラッソの主題による変奏曲
翔陽
オネイロス
3つのコラール 教会の窓辺で/黄昏のうた/祈りのことば
碧空の翼
交響曲第2番
吹奏楽のための交響曲第3番

全日本[[吹奏楽コンクール]]課題曲

（全4作品、全て全日本[[吹奏楽連盟]]の委嘱作品）

声楽作品

オペラ「はだしのゲン」
ここにあるもの
合唱組曲「このみち」
貝殻の歌

室内楽作品

トロンボーン・テューバとピアノのための対話
2台のマリンバのためのシャコンヌ
木管五重奏「無邪気ないたずら」
クリオネのワルツ －流氷と戯れるクリオネの踊り－
Impression for Flute Orchestra
薄明かりの歌(バスーン又はユーフォニウムとピアノのための）
祈り そして 戯れ ~ 光りのもとの ~（オーボエとピアノの為の）
寂燈（木管五重奏）
シェリアク（弦楽合奏）
深淵（クラリネットとピアノの為の）
3本のヴィオラとピアノの為のカプリス
Requiem 1995 ~ A L’aube de Kobe (for Clarinet Orchestra)
妖精の夢（無伴奏フルート・ソロ）
ファンタジー（ユーフォニァムとピアノの為の）
ソナチネ（木管五重奏）
アラベスク（サキソフォン四重奏）



これらの作品は、保科洋の音楽家としての幅広さを示すとともに、日本の音楽文化に多大な貢献をしています。

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