信州まるごとワイド。キャッチ!

信州まるごとワイド。キャッチ! (しんしゅうまるごとワイド。キャッチ!)

『信州まるごとワイド。キャッチ!』は、2006年9月4日から2008年3月21日まで、信越放送（SBCテレビ）が平日夕方に生放送していた情報ワイド番組です。略称は「キャッチ!」と呼ばれ、ハイビジョン制作・ステレオ放送で送出されました。

番組の誕生と背景

番組は、SBCが2006年9月4日に長野市の新社屋「TOiGO」へ移転したことに伴う大規模な番組改編の中でスタートしました。当時、視聴率で苦戦していた前身の夕方ワイド番組『Uパレード』に代わる新たな看板番組として、「新鮮」「発見」「共感」をキーワードに掲げ、視聴者の心をつかむことを目指しました。

この改編の最大の特徴は、長年安定した視聴率を保っていた夕方のローカルニュース番組『SBCニュースワイド』を終了させ、その機能と放送時間を『キャッチ!』に統合するという大胆な手法をとった点にあります。これにより、番組全体の放送時間は2時間近くへと大幅に拡大されました。

また、編成面では、長年16時台に時差ネットで放送されていたテレビ東京制作の生番組『レディス4』を廃止し、その時間帯に『水戸黄門』や『大岡越前』といった時代劇の再放送枠を設ける工夫が凝らされました。これは、時代劇の固定視聴者層をそのまま番組後半の『キャッチ!』本編へと誘導し、視聴率向上につなげようという意図が見て取れるものでした。

編成の迷走と低迷

しかし、こうした抜本的な改編にもかかわらず、番組は厳しい状況に直面します。特に問題となったのは、ニュース番組との統合によってローカルニュースの放送時間が17時台半ばという、それまでの視聴習慣とは異なる時間帯に前倒しされたことでした。この分かりにくいタイムテーブルが視聴者の混乱を招き、夕方ワイド番組とニュースの統合が視聴率に悪影響を及ぼす結果となりました。

番組開始からわずか2ヶ月後には、他の在長局と同様にローカルニュースの主要部分を18時台に戻す再度の編成変更を余儀なくされます。この編成の迷走が番組の低迷を決定的なものとし、わずか半年余りで、それまで『キャッチ!』内に内包されていた18時台のローカルニュース枠を『NEWS キャッチ!』として完全に独立させ、全国ニュースである『JNNイブニング・ニュース』も切り離すこととなりました。

番組本体の『キャッチ!』もキャスター陣を一新するなどのテコ入れが行われましたが、状況は好転しませんでした。独立した『NEWS キャッチ!』もまた視聴率面で苦戦が続きました。

短命な終焉と夕方ワイドからの撤退

結局、『信州まるごとワイド。キャッチ!』は、番組開始からわずか1年半余りという短期間で打ち切りが決定しました。これは、1994年4月に『ほっとスタジオSBC通り』が開始されて以来、足掛け14年にわたって続いたSBCの夕方ワイド番組の歴史において、最も短命な番組となりました。本体の終了に伴い、『NEWS キャッチ!』も2008年3月28日をもって放送を終えました。

この結果を受け、SBCは平日夕方ワイド番組から一旦撤退することを決定します。2008年3月31日からは、17時台はTBS制作の『イブニング・ファイブ』を同時ネットで放送し、18時台のローカルニュースは新番組『SBC News6』がスタートしました。一方、平日午後15時台には、それまで単独番組だった『信毎ニュース』を吸収する形で、新たなローカル情報ワイド番組『3時は!ららら♪』が新設され、午後の情報番組枠を担うこととなりました。

タイムテーブル（例：放送初期）

16:54 オープニング
16:56 気象情報
16:58 特集・中継・日替わりコーナー
17:30 キャッチ!ニュース5時半・お天気キャッチ!（ローカルニュース、詳しい天気予報）
17:40 特集・中継コーナー
17:49 エンディング

※放送初期（2006年9月 - 2007年3月）は、テレビ情報誌などで三部構成（第一部 16:54-17:50、第二部 17:50-18:16『JNNイブニング・ニュース』、第三部 18:16-18:55）と表記されることもありました。この時期は18時台にもローカルニュース枠「キャッチ!ニュース6時半」などが設けられていました。

主な出演者

メインキャスター：中澤佳子、牛山美耶子（初期）、小林夏樹（後期）
ニュース担当：丸山隆之（初期）、日替わり（後期）
気象予報士：松元梓
リポーター：飯塚敏文、中村雅子 ほか

番組タイトルロゴには、長野県で地上デジタル放送が本格的に始まった時期に合わせ、SBCのリモコンキーIDである「channel 6」があしらわれていました。また、緊急時などには、編成上の都合から JNN協定対象外の TBS『イブニング・ファイブ』17時台を臨時に同時ネットする対応が多く見られました。

『信州まるごとワイド。キャッチ!』は、SBCが夕方ワイド番組の刷新とニュースとの統合を試みたものの、編成戦略の困難さや視聴者の習慣とのずれから短期間でその歴史を終え、局の夕方編成が大きく転換する契機となった番組と言えるでしょう。

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