信徳センター

信徳センターは、香港の主要な商業・交通拠点である上環に位置する複合施設です。中国語では「信德中心」、広東語音で「seon3 dak1 zung? sam1」、ピンインで「Xìn Dé Zhōngxīn」と表記され、英語では「Shun Tak Centre」として知られています。

この施設は、4層のショッピングセンターと駐車場ビル、そして38階建てのオフィスタワー2棟、さらにマカオ・フェリー・ターミナルで構成されています。信徳センターは、マカオのカジノ王として知られるスタンレー・ホーが創設した信徳グループの本拠地であり、その影響力の大きさを物語っています。

また、信徳センター内にあるチャイナ・マーチャント・タワー（招商局大廈）には、中国政府系の企業である招商局集団（CMG）が拠点を置いています。これは、香港における中国の影響力を示す一例と言えるでしょう。

歴史

信徳センターは、かつてのマカオフェリー埠頭と上環ナイトマーケットの跡地に建設されました。1984年に完成した第一期工事では、センターの東側部分と、チャイナ・マーチャント・タワーとして知られる第一タワーが建設されました。当初、第一タワーにはビクトリアホテルが入居していましたが、経営がうまくいかず、全てオフィスへと転換されました。その後、建設された第二タワーは、ウェスタンタワーと呼ばれ、第一タワーとはわずかに異なる方向に建てられており、少し非対称な印象を与えています。

交通

信徳センターは、様々な交通手段が利用できる交通の要所でもあります。

陸上交通

鉄道: MTR港島線上環駅が最寄り駅です。また、香港駅（MTR東涌線・機場快線）も徒歩圏内にあり、ペデストリアンデッキで接続されています。
香港トラム: 香港の象徴的な公共交通機関であるトラムも利用できます。
バス・ターミナル: センターにはバスの発着場があり、香港各地へのアクセスが可能です。

海上交通

マカオ・フェリー・ターミナル: 信徳センターの重要な構成要素であるマカオ・フェリー・ターミナルは、マカオや深圳空港などへのフェリーが発着するターミナルです。特に、TurboJETの拠点として、マカオへの主要な交通手段となっています。このフェリーターミナルは、香港とマカオを結ぶ重要な役割を担っています。

信徳センターは、単なる商業施設としてだけでなく、香港とマカオを結ぶ交通の要所としても重要な役割を果たしています。その歴史的背景、立地条件、多様な機能は、香港における経済活動と地域間の移動において、なくてはならない存在であることを示しています。

この施設は、香港の商業、交通、歴史を語る上で欠かせない場所であり、訪れる人々に多様な体験を提供し続けています。

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