東涌線

香港MTR東涌線：都市と空港、そしてリゾートを結ぶ大動脈

東涌線は、香港の主要な公共交通機関である香港鉄路（港鉄、MTR）が運営する鉄道路線の一つです。香港島の中西区に位置する香港駅から、ランタオ島の東涌駅を結び、空港鉄道の各駅停車としての役割を担っています。ラインカラーは鮮やかなオレンジ色（■橙）で、香港市民や観光客にとって重要な移動手段となっています。

路線概要

東涌線は、空港鉄道として建設された背景から、高速運転を可能にする直線的な線形が特徴です。急行列車である機場快線（エアポートエクスプレス）が通過する駅を補完する役割を持ち、香港、九龍といった市街地からランタオ島や新界南部のニュータウン地区への通勤・通学輸送を支えています。特に、空港へのアクセス手段として重要な役割を担っており、機場快線よりも安価に東涌まで移動し、そこからバスに乗り換えて空港へ向かう利用客も多いです。

機場快線とは九龍駅手前で線路が分岐し、各々のホームに入ります。青衣駅までは複々線区間となっており、都心部を抜けると複線区間へと変わります。ディズニーリゾート線との乗り換え駅である欣澳駅は、機場快線の待避も可能な構造となっています。東涌駅手前で再び機場快線と線路が分かれます。また、新駅設置のための準備工事が完了している箇所も存在します。

新界南部からランタオ島へ渡る際には、全長2,200mの青馬大橋を通ります。この橋は道路と鉄道が併用された二層構造の吊り橋としては世界最長ですが、側面が壁で囲まれているため、残念ながら景色を楽しむことはできません。

空港とディズニーランドへのアクセス

空港連絡鉄道として建設された東涌線ですが、その役割は空港へのアクセスだけにとどまりません。香港ディズニーランドへのアクセスも担っています。機場快線は欣澳駅を通過してしまうため、鉄道でディズニーランドへ向かう場合は、一度青衣駅まで行き、東涌線に乗り換える必要があります。しかし、遠回りになるため、多くの観光客はバスを利用することが多いようです。

また、南昌駅では屯馬線に接続しており、新界中央部の中心地である元朗地区へのアクセスも可能です。2005年には、青衣駅と空港駅、東涌駅の間に、ディズニーランドの最寄り駅となる欣澳駅が開業し、ディズニーランドリゾート線への乗り換えが可能となりました。

今後の計画

現在、北港島線計画の一環として、香港駅から中西区の添馬まで延伸する計画が進められています。これにより、香港島北部のアクセスが更に向上することが期待されています。

路線データ

複線区間: 全線
複々線区間: 九龍 - 青衣間、および小濠湾車両基地 - 東涌手前
電化区間: 全線（直流1,500V架線集電方式）
車両基地: 小濠湾車両基地
地上区間: 東涌東北 - 奥運間
走行方向: 左側通行

歴史

1998年6月22日：東涌 - 香港間が開通。
2003年12月16日：南昌駅が開業。
2005年6月1日：欣澳駅が開業。

使用車両

東涌線では、以下の2種類の車両が使用されています。

Adtranz社とCAF社の合作車両：ADtranz-CAF電車（12編成）
ロテム社製の車両：K-Stock電車（4編成）

Adtranz-CAF電車は、開業当初は7両編成でしたが、2003年に全て8両編成化されました。ロテム製の電車は、2006年に導入されました。

駅一覧

駅名	機快	備考
:-	:-	:---
香港	●
九龍	●
奥運	│
南昌	│
荔景	│
青衣	│
欣澳	│
東涌	│

機快：機場快線停車駅
│：通過
●：停車

関連項目

* 香港の鉄道

もう一度検索