信楽高原鐵道SKR200形気動車

信楽高原鐵道SKR200形気動車：信楽線の歴史を刻んだ車両

1987年、信楽高原鐵道の開業に合わせ、富士重工業によって製造されたSKR200形気動車は、信楽線の歴史において重要な役割を担いました。愛称はレールバスとして知られ、3両で運行を開始。その後、需要増加に伴い1両を増備し、計4両体制で運行されました。しかし1991年、信楽高原鐵道列車衝突事故が発生。2両が廃車となり、その代替として新たな車両が製造されました。

SKR200形は、富士重工業製のレールバスLE-Carをベースに設計されましたが、車体構造は従来工法に変更。日本国有鉄道キハ32形と類似した車体断面を持ち、リベットのない滑らかな側面が特徴的でした。折り戸式のドアや、上部固定・下部横引き式の窓など、そのデザインは独特の趣を感じさせます。

搭載された日産ディーゼル製PE6HT03Aディーゼルエンジンは250PS/1,900rpmの出力。信楽線の急勾配区間（最大33‰）に対応するため、機関ブレーキ、排気ブレーキ、リターダという3種類の抑速ブレーキを装備していました。これは明知鉄道アケチ1形と同様のシステムです。

車体塗色は当初、白地に赤と紫の模様が配された鮮やかなデザインでしたが、事故後、残存車両はクリーム色とライトグリーンの帯に変更されました。1999年には「信楽たぬき列車」として、狸のイラストが描かれた特別仕様の車両も登場しました。座席配置は当初、クロスシートとロングシートのセミクロスシートでしたが、後に全席ロングシートに変更されました。

しかし、長年の運行による老朽化が進み、SKR310形への置き換えが進みます。2001年から2002年にかけて、多くの車両が廃車となりました。最後の1両である205号車は、2017年2月まで営業運転を続けましたが、その後紀州鉄道に譲渡され、KR205として新たな活躍の場を得ています。

SKR200形は、信楽高原鐵道の歴史とともに歩んできた車両です。その存在は、地域住民の生活を支え、観光客にも親しまれる存在でした。老朽化により姿を消しましたが、その活躍は、信楽線の発展に大きく貢献したことは間違いありません。

主要諸元（205号車）

製造年: 1992年
全長: (m)
全幅: (m)
全高: (m)
自重: (t)
機関: 日産ディーゼル製 PE6HT03A
出力: 250PS/1,900rpm
ブレーキ: 機関ブレーキ、排気ブレーキ、リターダ

参考文献

寺田裕一　『ローカル私鉄車両20年　第3セクター・貨物専業編』　JTBパブリッシング、2003年
『鉄道ファン』1988年10月号
ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表89年版』ジェー・アール・アール、1989年
信楽高原鉄道「SKR200形SKR205号車 さよなら運行について」

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