信長の野望・将星録

信長の野望・将星録

『信長の野望・将星録』は、1997年に光栄（現コーエーテクモゲームス）から発売された歴史シミュレーションゲーム「信長の野望シリーズ」の第7作です。当初はWindows版が発売され、後に様々なパソコン機種や家庭用ゲーム機に移植されました。ただし、パソコン版とコンシューマ版では、ゲーム内容にいくつかの変更点があります。また、「コーエー定番シリーズ」として廉価版も発売されています。Windows版については、『信長の野望・天翔記withパワーアップキット』とのツインキャンペーン版も発売されました。信長の野望シリーズとしては初めてドリームキャスト版が発売されたことも特筆されます。

ゲーム概要

プレイヤーは戦国大名の一人または複数を選び、全国統一を目指します。本作では、前々作の『覇王伝』で採用されていた、他大名との同盟による統一（征夷大将軍となって全大名と同盟を結ぶ）が復活しました。ただし、従属大名システムは搭載されていないため、同盟は対等な関係となります。また、同盟には期限が設けられました。ターン制は前々作同様、1年を12ヶ月に分け、1ヶ月ごとにターンが進みます。音楽は山下康介氏が担当しました。

前作『天翔記』では、大名や軍団長の行動力が制限されていましたが、本作ではその制限がなくなり、配下の武将それぞれに命令を出せるシステムに戻りました。勲功システムは前作のものをほぼ引き継ぎ、勲功に応じて身分や兵数が決まります。ただし、昇進は前作の手動から自動に変更されました。軍団制は本作では採用されていません。

音楽は、内政時は大名居城のある地方に応じた曲が、戦争時は野戦用（規模に応じて2種類）または攻城戦用の音楽が、大名家によって変化することなく流れます。

前作『天翔記』と比較すると、城数や武将数が減少し、思考ルーチンも弱体化したため、売り上げは前作を下回りました。しかし、本作では明智光秀と南光坊天海が同一人物であるという説が採用されており、本能寺の変イベントにおいて、条件によって光秀が死亡する場合と、天海に改名して生き延びる場合があります。

箱庭内政

本作の最大の特徴は、箱庭システムと呼ばれる新たな内政要素です。日本全国が一枚のマップとなり、マス目状に区切られています。内政を行うには、内政ユニットを目的のマスに移動させ、「開墾」「町造」「治水」などのコマンドを実行します。これにより、「荒れ地」だったマスが「水田」や「街」に変化します。マス目の数は限られており、城の規模に応じて範囲が広がります。建設可能な施設には地形による制約があり、長期的な都市計画を考える必要があります。前作では領地の開発度が一定値に達すると開発が終了しましたが、本作では再開発によって半永久的に開発が可能です。このシステムは次作『烈風伝』にも継承されましたが、城の改修度による収入範囲の変動システムは『烈風伝』には引き継がれませんでした。

兵士の徴兵という概念がなくなり、開発の中で自然に兵士が増えるようになりました。また、軍勢ユニットも内政と同一マップ上で行動します。このシステムも『烈風伝』に継承されましたが、外交や調略、輸送に使われる使者ユニットや間者ユニット、関所などは本作のみの要素です。支城を設置することも可能で、支城に配備された軍勢ユニットは兵糧の消費を抑えることができます。

コンシューマ版では、本城の収入範囲は『烈風伝』と同様に5x5ヘクスに固定されていますが、支城には3x3ヘクスの収入範囲があり、一つの国内に3つまで建設可能です。支城は本城から兵糧や兵士、軍馬・鉄砲の補給を受けられるだけでなく、敵の支城を占拠することも可能です。外交面では朝廷関連のコマンドは削除されていますが、征夷大将軍就任イベントは残っています。また、コンシューマ版では隠しコマンドで隠しシナリオをプレイできます。

パラメータ

武将の能力パラメータは、「政治」「戦闘」「智謀」「寿命」「義理」「相性」の6つです。前作と比較すると減少しましたが、兵科適性や特技は健在です。内政特技には「農業」「商業」「建設」「外交」「登用」、戦闘特技には「三段」「騎突」「火矢」「騎鉄」「抜穴」があります。一部の武将は特殊能力を持っています。パラメータは全体的に高めに設定されていますが、ユーザーからの意見を受け、後の『烈風伝』で大幅に抑えられました。

合戦について

合戦は野戦（海戦を含む）と攻城戦の2種類に分けられます。

野戦は、隣接する部隊数に関係なく一対一で行われます。一つの軍勢ユニットには、第一部隊（大将）から第五部隊までが存在し、3x3のスペースで自由に陣形を組むことができます。第一部隊が倒されると敗北となるため、編成には注意が必要です。ただし、特殊能力を持つ武将は例外です。軍勢ユニットには方向があり、側面や背後から攻撃すると有利に戦えます。武将の身分に応じて率いる兵士数に上限がありますが、優秀な武将であれば、奇襲で身分の高い武将を倒すことも可能です。

支城にいる軍勢ユニットは奇襲を受け付けず、地形効果も加わるため、能力の高い武将が支城にいると非常に苦戦します。支城にいる軍勢の兵糧は本城から自動的に補給されます。

攻城戦は、15ターン以内に城門を突破し、本丸を占拠することが勝利条件です。城への攻撃には、地形に応じて2～4部隊が参加可能です。防衛側の城の改修度が高いと落城が難しく、事前に調略が必要になる場合があります。また、本作では箱庭システムにより、初めてシステム的に兵糧攻めが可能になりました。城の出入り口を封鎖することで城内から軍勢ユニットを出すことができなくなり、場合によっては水攻めも有効です。

コンシューマ版では、攻城戦は省略され完全委任となりましたが、パワーアップキット版でパソコン版と同様の攻城戦が可能になりました。

国数について

イベントには実写ムービーも取り入れられ、戦国時代の雰囲気を楽しむことができます。一国一城一大名の原則が基本ですが、前作に比べると城や大名が減っています。一部は支城や独立勢力として存在しており、使者ユニットを隣接させることで味方にすることも可能です。パワーアップキット版では、選択可能なシナリオや歴史イベントが増加し、新コマンド「早刈」が追加されました。コンシューマー版では、国数が64から40に減少し、マップも縮小されています。

職業について

各職業はゲーム進行に影響を与えます。同じ職業を持つ武将同士の場合、登用の成功率が上がります。

忍者: 調略の成功率が上がり、関所で捕らえられにくくなります。間者ユニットより移動力が大きく、稀に野戦で敵将を討ち取ることもあります。
僧侶: 城主の場合、稀に兵糧・金銭・兵士のいずれかを農民から貰えることがあります。大名が僧侶の場合、宣教師来訪イベントは発生しません。
剣豪: 野戦でクリティカルヒット（敵を混乱させる攻撃）が発生しやすくなります。デフォルトで剣豪の武将に家宝「鬼丸」を持たせると、攻城戦で「斬鉄剣」が使えるようになります。
茶人: 特に影響はありません。台詞が変わる程度です。
切支丹: 宣教師来訪イベントが起こりやすくなります。南蛮物の取引が可能になります。本願寺との仲が悪くなります。

シナリオ

シナリオは通常版（無印）で5本、パワーアップキットでは5本が追加され、計10本となっています。

1551年4月：「うつけ者家督を継ぐ」
1560年5月：「風雲桶狭間」
1570年10月：「天下布武の危機」
1582年2月：「天下への道」
1582年6月：「天下の継承者」※無印では隠しシナリオ扱い
1555年4月：「清洲入城」
1562年2月：「清洲同盟」
1575年5月：「新時代の到来」
1584年3月：「小牧長久手」
1589年11月：「天下統一前夜」
1568年2月：「天下布武」※コンシューマ版PK限定隠しシナリオ

特殊能力

斬鉄剣: 足利義輝のみが持つ特殊能力。デフォルトで剣豪の武将に家宝「鬼丸」を持たせることでも使用可能。攻城戦で城門を一撃で破壊できます。
影武者: 武田信玄・真田幸村のみが持つ特殊能力。野戦で本陣が全滅してもランダムで他の部隊に本陣が移動し、軍勢が壊滅しなくなります。発動しない場合もあります。
一向一揆: 本願寺家の当主が持つ特殊能力。ランダムで特定の城に一向一揆を起こすことができます。操作は不可です。本願寺家が滅亡すると消滅します。
雷神剣（仮称）: 野戦で敵に混乱と大ダメージを与える特殊攻撃。条件は不明ですが、家宝「雷切」を持ち、雨天時に攻撃すると発動する確率が高まります。立花道雪が使用した場合、稲妻のエフェクトが発生します。

Windows版に関して

Windows版は、パワーアップキットも含めて、コーエー公式にはWindows XPおよびWindows 2000には非対応とされています。無印版は2002年にXP及び2000対策を施したものが「コーエー定番シリーズ」として再発売されましたが、PK、あるいはwithPKについては対応版の再発売はありません。また、定番シリーズ版にはPKを適用できません。Windows Vistaへの対応状況は公式には発表されていません。

ただし、PKに搭載されているエディタ機能は、非公式ツールで代用できます。

脚注

信長の野望・将星録　公式サイト
将星録パワーアップキット　公式サイト
PSP版公式サイト
[携帯電話版公式サイト](https://www.gamecity.ne.jp/mobile/syousei/
PlayStation.com(Japan)｜ソフトウェアカタログ｜信長の野望・将星録 ｗｉｔｈ パワーアップキット
信長の野望 将星録 with パワーアップキット | ドリームキャスト | 家庭用ゲーム | SEGA

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