倉田和四生

倉田 和四生（くらた わしお）のプロフィール

倉田 和四生は、1929年7月22日に熊本県天草郡天草町高浜に生まれました。彼の出生年に因んで「和四生」という名前が付けられ、8人兄弟の三男として育ちました。倉田氏は、関西学院大学名誉教授であり、社会学の学問における重要な人物です。彼の専門分野は都市社会学と人口論で、社会福祉学にも深い造詣を持っています。

学歴と経歴

倉田氏は1944年に海軍飛行予科練習生として志願し、戦後は学問を志すようになりました。長崎市立高等学校（定時制夜間部）を卒業後、関西学院大学文学部社会学科に進学し、1955年に卒業しました。その後、同大学院で修士課程を修了し、助手として教育に携わることになります。

彼はその後、関西学院大学の専任講師と助教授を経て教授に昇任しました。1965年にはフルブライト奨学金を得てマサチューセッツ大学に留学し、1971年には文学博士の学位を取得します。関西学院大学では、社会学部長や学部長としても活躍し、その学問的貢献は高く評価されています。

社会学者としての活動

倉田氏は、シカゴ学派の社会学アプローチを応用しつつ、地域社会の特徴や歴史的背景に基づいた研究を行いました。特に神戸市においては、その社会的特性を観光資源として活用するための研究に注力しました。この業績が評価され、1985年には神戸市から防災功労賞を受賞しました。

吉備国際大学と順正短期大学

関西学院大学を定年退職後、倉田氏は岡山県高梁市にある吉備国際大学の教授として招かれました。2002年には副学長に就任し、2004年からは順正短期大学の第8代学長を務めることになります。その後、郷土史の研究にも力を注ぎ、高梁市におけるキリスト教の歴史についての研究を行いました。

高梁市のキリスト教史の研究

倉田氏は、高梁周辺のキリスト教の伝播が単なる宗教の広がりでなく、儒者である山田方谷の思想や教育との関連が深いことを明らかにしました。この研究が、後の福祉思想の形成に至ったとしており、彼自身の専門性である都市社会学と社会福祉学を交差させる新たな視点を提供しています。特に、「社会的基督教」の概念についても、彼の研究が大きな影響を与えているとされています。

晩年と評価

2007年に瑞宝中綬章を受章し、2008年には吉備国際大学を退職しましたが、その後も郷土史家として活発な活動を続けています。2010年以降も著作を発表しており、社会学者としての影響力は依然として強いものがあります。

主な受賞歴

• - 1972年：第2回 奥井賞（『都市化の社会学』）
• - 1985年：神戸市防災功労賞（防災コミュニティにおける学術研究）
• - 2007年：瑞宝中綬章

主な著作

彼の著作には、翻訳書や単著、共著があり、都市社会学に関する多くの論文や研究書が存在します。特に『都市化の社会学』は彼の代表作とされています。

倉田和四生は、社会学者としてのだけでなく教育者としてもその生涯を通じて多くの人々に影響を与え、日本社会における学問と実践の架け橋となりました。

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