天草町

天草町（あまくさまち）

天草町は、かつて熊本県の天草郡に存在した町です。「キリシタン文化と陶石の里」を町の標語として掲げ、陶石、福連木子守唄まんじゅう、そして乾燥させたサツマイモともち米、上白糖から作られる名産品であるこっぱ餅などが特産品として知られていました。

地理と景観

天草下島の西部に位置し、美しい自然に恵まれていました。特に、天草下島の西側に位置することから、海岸線から望む夕陽は格別で、西海岸はサンセットラインと呼ばれ、多くの人々を魅了していました。また、町内には国民保養温泉地である下田温泉（別名：白鷺温泉）があり、温泉地としても知られていました。

山：荒尾岳
岩礁：妙見浦（名勝天然記念物）

歴史

天草町は、1956年（昭和31年）9月21日に天草郡内の高浜村、福連木村、下田村、大江村が合併して誕生しました。その後、2006年（平成18年）3月27日に本渡市、牛深市、天草郡有明町、御所浦町、倉岳町、栖本町、新和町、五和町、河浦町と合併し、新たな天草市として生まれ変わりました。この合併は新設合併の方式で行われました。

産業と文化

有田や瀬戸の陶磁器の原料となる良質な陶石を産出することでも有名であり、天草町でも陶磁器生産が盛んに行われていました。キリシタン文化も色濃く残り、大江天主堂などの教会は観光名所となっていました。

交通

天草町内には鉄道路線はありませんでしたが、九州産業交通バスを利用することで、本渡市を経由してJR鹿児島本線の熊本駅や三角線の三角駅へアクセスすることができました。また、苓北町の富岡港と長崎県の茂木港を結ぶ航路も利用できました。

一般国道: 国道389号
路線バス: 九州産業交通バス (本渡バスセンター行き、富岡港行き、高浜上河内行き、河浦高校前行き)

主な観光スポット

下田温泉
鬼海浦展望所
五足の靴文学遊歩道
荒尾岳展望所
妙見浦
大ヶ瀬・小ヶ瀬

祭事

年間を通して様々な祭事が開催され、地域住民や観光客で賑わっていました。

あったか天草椿まつり（3月上旬）
天草西海岸春の陶器市（4月29日 - 5月5日）
ジャガジャガ祭（4月29日）
下田温泉祭（5月中旬）
ビーチフットボールin天草（7月中旬）
天草海辺の達人キャンプ（7月下旬）
下田温泉　夏まつり（7月下旬）（下田温泉広場）
五足の靴顕彰全国短歌大会（8月下旬）
五足の靴ウォークラリー大会（11月3日）
天草西海岸陶芸まつり（10月上旬）
福連木子守唄＆童謡まつり（11月上旬）
大江冬まつり（12月24日）

合併後

天草町は天草市となり、その名は地図から消えましたが、美しい自然、豊かな文化、そして人々の温かい心は、今も天草市の一部として息づいています。

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