僧樸

僧樸の生涯と業績

僧樸（そうぼく、1719年 - 1762年）は、江戸時代に活躍した浄土真宗本願寺派の僧侶です。彼の本文は善悪を見極める深い教えと、数多くの学僧を育てた功績に彩られています。彼の俗姓は高橋で、法名は関樸、号は休々子や昨夢廬とされています。僧樸は陳善院の諡号を受け、献身的な生涯を送りました。

幼少期と得度の契機

僧樸は越中国、現在の富山県射水市で誕生しました。彼の幼少期は困難に満ちており、14歳で父親を亡くしたことで無常の理念を深く感じるようになります。この苦しい経験が、彼にとって霊的な道を探求する契機となりました。15歳の時に霊潭の講義を聞き、翌年の16歳で誓光寺にて得度し、学僧の道を志すこととなります。

修行と教えの広がり

1736年、西本願寺学林に上洛し、法霖に師事します。法霖は西本願寺第4代能化として知られ、僧樸に多大な影響を与えました。約30歳の頃、堺の小山屋久兵衛の信仰を受け、摂津国に祐貞寺を創設します。1760年の秋には、祐貞寺から京都の宏山寺に移り、教育活動を続けました。

また、僧樸は講師として多くの弟子を育てました。彼が指導した中には、僧鎔（空華轍の祖）、慧雲（芸轍の祖）、仰誓、智洞（西本願寺第7代能化）などの優れた僧侶が含まれています。特に法霖の死後、13年間行われていた能化職の空位期間の後、義教が1755年に就任しましたが、これは僧樸が彼を講師として推薦したことによるものです。

健康と学問への熱意

僧樸は生涯を通じて結核に苦しみ、また極度の近視でもありました。医師・吉益東洞の記録『建珠録』には、彼が視力回復のために多くの薬を服用し続け、それが成功した様子が詳細に記されています。

さらに、彼は勉学に邁進するあまり、休むことを忘れてしまう姿があり、それゆえに「米かみ僧樸」と称される異名を持つようになりました。生米を食べることから生まれたこのあだ名は、彼の特異な学問への情熱を示しています。

著作とその影響

僧樸は非常に多才な僧侶であり、いくつかの著作も残しています。主なものには『安楽集講録』、また『真宗念仏現益弁』、そして『真宗法要』（共編）などがあります。これらの著作は、彼の教えや学問の成果を広く伝えるものとなりました。これらの文献は、今でも多くの人々に読まれ、浄土真宗の教えを理解するための大切な資料となっています。

僧樸の一生は、浄土真宗の発展において重要な役割を果たしたと評価されており、彼の教えは現代においても多くの人々に影響を与え続けています。

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