元田直

元田直の生涯と業績

元田直（もとだ なおし、1834年4月13日 - 1916年3月4日）は、日本における重要な儒学者、法学者、法律家、教育者の一人である。彼は東京代言人組合の初代会長や法政大学の創立メンバーとして知られ、義務教育の発展に尽力した。

略歴

豊後国杵築藩（現在の大分県杵築市）で儒学者の元田竹渓の長男として誕生した元田は、維新の際に藩主の嫡子松平親貴に従って京都に上がります。そこで参与の広沢真臣と知り合い、内国事務局書記として官職に就くこととなりました。後に度会府の判事となり、さらに太政官に入ると、箕作麟祥と共にフランス民法の審議に携わりました。

法学と教育への貢献

1874年、彼は東京神田に法律塾「法律学舎」を開設し、フランス法の講義を行います。この学校は日本初の私立法律学校とされ、元田の功績として後世に名を残します。1880年には同郷の仲間たちと共に東京法学社を設立し、法政大学の創立にも関与しました。

同年の6月には東京代言人組合の初代会長に就任し、11月には長崎上等裁判所の判事に任命されます。その後、1887年には文部大臣森有礼の依頼を受け、東京府学務課長兼東京府尋常師範学校の校長に就任し、義務教育の普及と発展に寄与しました。

著書とその影響

元田は多くの著書を残しています。代表的なものには、『東京土産』や『所得税法俗解』、さらには『南豊文集』などがあります。これらの著作は、法学や教育における基盤を築く上で重要な役割を果たしました。特に彼の法学に関する著書は、当時の法学教育を発展させるための手助けとなりました。

家族と後の世代

元田直の父、元田竹渓も儒学者として活躍しました。元田肇（枢密顧問官、衆議院議長）は彼の婿養子であり、元田家は教育・政治の分野で重要な役割を担いました。また、元田直の長男である元田伝も東京高等師範学校教授として教育界で名を馳せました。

元田の四男、太田善男は三重県で評論家として知られ、その後、慶應義塾大学で教授として活躍しました。太田善男は優れた英語能力を持ち、同人誌『七人』の創刊メンバーとしても知られています。

最期と遺産

元田直は1916年、腎臓萎縮症により亡くなりました。享年82歳であり、その墓所は雑司ヶ谷霊園にあります。彼が残した功績は、法学や教育の分野において後の世代に大きな影響を与え、今なお多くの人々に語り継がれています。

元田直の生涯は、日本の近代化における重要な一端を担ったものであり、彼の考えや業績は今日でも多くの人に reverenceを集めています。

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