法律学舎

法律学舎とは

法律学舎は、明治時代初期に存在した私立の法律学校です。一般的に、日本最初の私立法律学校として知られています。設立者の元田直は、代言人（現在の弁護士）としても活躍しており、法律学舎は彼の法律事務所としての側面も持っていました。

設立と変遷

1874年（明治7年）、元田直によって東京府神田五軒町に法律学舎は設立されました。当初は法律教育を目的としていましたが、代言業務の多忙化に伴い、1877年（明治10年）に神田錦町へ移転した際、法律教育を停止し、代言業務に専念することになります。
その後、法律学舎は1879年（明治12年）に麹町区有楽町、さらに京橋区弥左衛門町へと移転を繰り返し、1880年（明治13年）5月頃まで代言事務所『法律学舎』として活動を続けました。学校としての活動期間は短く、その歴史は、設立者の元田直が後進の育成に尽力した、東京法学社（現在の法政大学）へと引き継がれていくことになります。

東京法学社への影響

法律学舎の設立者である元田直は、同郷の金丸鉄や、法律学舎に所属していた伊藤修、法学者ボアソナードの門下生である薩埵正邦らが東京法学社（現在の法政大学）を創立する際に、その設立を支援しました。東京法学社講法局は、法律学舎の理念を受け継ぎ、その母体の一つとして、今日の法政大学にその命脈を伝えています。

主な教員

法律学舎には、以下のような教員が在籍していました。

元田直
依田薫
名村泰蔵
沼間守一
本多潤

主な出身者

法律学舎からは、以下のような人物が輩出されています。

伊藤修
榊原経武
沢田寧
田代進四郎
皆川四郎
村松亀一郎
藤野政高

参考文献

文部科学省 専門学校の創設
澤大洋, 「民権派代言事務所と私立法律学校の創成」『東海大学紀要. 政治経済学部』 23巻 p.15-39 1992年, 東海大学政治経済学部, ISSN 0389200X

注釈

法律学舎は、短期間ながらも、日本の法学教育の黎明期において、重要な役割を果たしました。特に、私立法律学校の先駆けとして、その後の法学教育に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

もう一度検索