元素構成比

元素構成比とは

元素構成比とは、ある対象物の中に、それぞれの元素がどれくらいの割合で含まれているかを示すものです。この割合は、質量比や原子数比などで表されます。宇宙全体から、身近な人体まで、様々な対象における元素構成比を見ていきましょう。

宇宙

宇宙全体の元素構成比は、ビッグバン直後に生成された水素とヘリウムが大部分を占めています。恒星内部での核融合反応によって、より重い元素が生成され、宇宙に広がっていきました。

太陽系

太陽系の元素構成比は、太陽が大部分を占め、その次に木星などの巨大ガス惑星が続きます。太陽の質量組成は、水素が約71%、ヘリウムが約27%で、その他がわずか2%程度です。

地球

地球全体の元素存在度は、質量比で鉄が最も多く、酸素、ケイ素、マグネシウムがそれに続きます。地球全体は、核、マントル、地殻の３層構造に分かれており、それぞれ元素構成比が異なります。

大気

地球の大気の組成は、体積比で窒素が約78%、酸素が約21%を占め、その他にアルゴン、二酸化炭素などが含まれています。重量比で見ると、わずかに構成比が変わります。

海水

海水には、様々な元素が溶け込んでいます。最も多いのは水ですが、重量比で見ると、塩素、ナトリウム、硫酸イオン、マグネシウムなどが主要な構成元素です。

地殻

地殻の元素構成比は、酸素が最も多く、ケイ素、アルミニウム、鉄がそれに続きます。地殻は、岩石や土壌を構成しており、地域によって元素構成比が変動します。

マントル

マントルの元素構成比は、酸素、マグネシウム、ケイ素が主要な構成元素です。マントルは、地殻の下にあり、地球の大部分を占める層です。

核

核は、主に鉄とニッケルから構成されています。核は、地球の中心部に位置し、高温高圧の環境にあります。

人体

人体は、様々な元素から構成されており、その中でも酸素、炭素、水素、窒素が特に多く、これら４元素で約96%を占めています。その他に、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、ナトリウム、塩素、マグネシウムなどが含まれています。

多量元素

多量元素とは、体内存在量が1%を超える元素で、酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リンの6元素が該当します。これらの元素は、人体の主要な構成要素です。

少量元素

少量元素とは、体内存在量が0.01%～1%の元素で、カリウム、硫黄、ナトリウム、塩素、マグネシウムの5元素が該当します。これらの元素は、体液のバランスや神経機能などに関与しています。

微量元素

微量元素とは、体内存在量が0.0001%～0.01%の元素で、鉄、亜[[鉛]]、マンガン、銅、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム、フッ素などが該当します。

超微量元素

超微量元素とは、体内存在量が0.0001%未満の元素で、ケイ素、スズ、バナジウム、ニッケル、ヒ素、ホウ素、カドミウム、アルミニウム、ゲルマニウム、リチウム、鉛、臭素、ルビジウム、ストロンチウムなどが該当します。

必須微量元素

人体に必須な微量元素は、鉄、亜[[鉛]]、マンガン、銅、セレン、ヨウ素、モリブデン、クロム、コバルトの9元素です。これらの元素は、体の正常な機能に不可欠であり、欠乏すると様々な疾患を引き起こします。

必須な元素は、多量元素、少量元素も合わせて20元素になります。

参考文献

『Newton 完全図解周期表 第二版 ～ありとあらゆる「物質」の基礎がわかる～』、株式会社 ニュートンプレス、2011年10月20日発行
『The Continental Crust, 1985』、Tayler & S.H.McLennan、1985年
『Ann. Rev. Earth Planet. Sci, 1986』、A.Zindler & S.Hart、1986年
『元素118の新知識 引いて重宝、読んでおもしろい(ブルーバックス)』桜井弘、講談社、2017年8月17日発行
『ミネラルの働きと健康』渡辺和彦、農山漁村文化協会、2011年10月1日発行

関連項目

元素
周期表
en:Abundances of the elements (data page))

外部リンク

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