光延博愛

光延博愛（みつのぶ ひろよし）は、1937年4月1日生まれの日本のアニメーション演出家、監督、そしてアニメーターです。没年は不明です。福岡県大牟田市出身で、土田プロダクションに所属していました。

彼の才能は幼少期から開花していました。漫画への強い関心から、中学生時代には漫画雑誌への投稿を始めるほど熱心に取り組んでいました。自身もかつて『漫画少年』に作品が掲載された経験を持つなど、才能豊かな少年時代を過ごしました。

その後、多摩美術大学を卒業。1959年には東映動画に入社します。当初はCM制作に興味はなかったものの、時代の流れを見据え「宣伝界で生きていける」と判断し、CM課に配属されました。この期間、黄桜のCMで河童のキャラクターを描いた名イラストレーター、清水崑氏との出会いは、光延氏のアニメーター人生において大きな影響を与えたと言われています。しかし、高度経済成長期の公害問題を目の当たりにし、環境破壊に関わる企業のCM制作に携わる中で、葛藤を抱くようになりました。自身の仕事への疑問と、新たな可能性への探求心から、1966年に東映動画を退社。

フリーランスとなってからは、数々のアニメーション作品に携わりました。その代表作として、まず挙げられるのは『おそ松くん』（第1作）の演出です。1966年からアニメ業界で活躍を始め、1967年には『かみなり坊やピッカリ・ビー』の演出も担当しました。

その後も、幅広い作品に携わっています。1973年には『哀しみのベラドンナ』で原画を担当。1975年には国民的な人気を誇る『まんが日本昔ばなし』の演出に携わりました。監督としては1976年の『ハックルベリィの冒険』が代表作と言えるでしょう。同時期には『ドカベン』で絵コンテと演出を担当。その他、『がんばれゴンベ』（絵コンテ・演出）、『おじゃまんが山田くん』（チーフディレクター）、『まんがことわざ事典』（キャラクターデザイン）など、数々の作品で重要な役割を担いました。

1980年代に入ると、『一ッ星家のウルトラ婆さん』（監修）、『さすがの猿飛』（絵コンテ）、『キャプテン翼』（チーフディレクター・絵コンテ）、『あした天気になあれ』（チーフディレクター）など、幅広いジャンルのアニメ作品で中心的役割を担い、その才能を発揮しました。

光延氏の作品は、その時代時代の社会情勢や人々の心情を反映しており、現在も多くのファンに愛され続けています。彼のアニメーションに対する情熱と、時代を見据えた柔軟な姿勢は、後世のアニメーターたちに大きな影響を与え続け、日本のアニメーション史に名を残す存在と言えるでしょう。

私生活では、スタジオ雲雀の会長である光延幸子を妻、社長である光延青児を息子に持ち、アニメ一家として知られています。その才能は、次世代へと受け継がれていくことでしょう。

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