光明真言

光明真言：密教の光明、功徳と信仰

光明真言（こうみょうしんごん）は、密教において非常に重要な真言であり、正式名称を不空大灌頂光真言（ふくうだいかんぢょうこうしんごん）といいます。この真言は、「不空羂索神変真言経」や「不空羂索毘盧遮那仏大灌頂光真言」といった密教経典に説かれており、その功徳と神秘性から、古くから多くの人々に信仰されてきました。

光明真言の構成と意味

光明真言は、23の梵字と、最後の休止符である「ダ」を合わせた、合計24の梵字で構成されています。これらの梵字は、それぞれ深い意味を持ち、真言全体として、大日如来を中心とする五仏への祈りを表現しています。

梵字:

𑖌𑖼𑖀𑖦𑖺𑖑𑖪𑖹𑖨𑖺𑖓𑖡𑖦𑖮𑖯𑖦𑖲𑖟𑖿𑖨𑖯𑖦𑖜𑖰𑖢𑖟𑖿𑖦𑖕𑖿𑖪𑖯𑖩𑖢𑖿𑖨𑖪𑖨𑖿𑖝𑖿𑖝𑖧𑖮𑗝𑖽

デーヴァナーガリーによる表記: ओं अमोघ वैरोचन महामुद्रा मणि पद्म ज्वाल प्रवर्त्तय हूं

真言は以下のように解釈されます。

oṃ amogha vairocana (オーン　アボキャ　ベイロシャノウ): 不空なる御方、毘盧遮那仏（大日如来）への呼びかけ。
mahāmudrā maṇi padma (マカボダラ　マニ　ハンドマ): 偉大なる印を持つ御方、宝珠、蓮華を意味します。
jvāla (ジンバラ): 熾光（燃え盛る光）を意味します。
pravarttaya hūṃ (ハラバリタヤ ウン): 転変せよ、という祈願を表します。

amogha（アボキャ）は金剛界大日如来または不空成就如来、vairocana（ベイロシャノウ）は胎蔵大日如来、mahā-mudra（マカボダラ）は阿閦如来、maṇi（マニ）は宝生如来、padma（ハンドマ）は阿弥陀如来、jvāla（ジンバラ）を不空成就如来に対応させ、五智如来の五色の光明を放つように祈願します。

光明真言の功徳と利益

「不空羂索毘盧遮那仏大灌頂光真言」には、光明真言を唱えることによる功徳と利益が説かれています。

過去の一切の罪障（十悪、五逆、四重罪など）の消滅
先祖の業による病苦からの解放
地獄、餓鬼、修羅道に堕ちた死者の救済と極楽浄土への往生

これらの功徳は、光明真言が持つ強力な浄化の力と、大日如来の慈悲によるものとされています。

光明真言の唱え方

密教では、真言の神秘性を保つために、梵字や陀羅尼を翻訳せずに、そのまま梵音で唱えることが一般的です。しかし、日本では、平安時代から光明真言法による加持が行われており、その唱え方も宗派によって若干異なります。

真言宗（智山派以外）: おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん
真言宗智山派: おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらはりたや うん
天台宗: おん あぼきや びろしゃな まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん

光明真言曼荼羅

光明真言曼荼羅は、五字真言の五つの梵字（地・水・火・風・空の五大種子）を中心に配置し、その周囲に光明真言の24梵字を円周状に配置したものです。この曼荼羅は、光明真言の世界観を視覚的に表現したものであり、瞑想や儀式に用いられます。

まとめ

光明真言は、密教の奥深い教えと、大日如来の慈悲が込められた真言です。その功徳は多岐にわたり、罪障の消滅や病苦からの解放、死者の救済など、多くの人々に希望を与えてきました。日々の生活の中で光明真言を唱え、その功徳を享受してみてはいかがでしょうか。

光明真言の意味　五色の光を放つ　意味が解れば唱え方が変わる ゆうき和尚

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