光華号

光華号：台湾鉄路を彩った特急列車



光華号（こうかごう）は、かつて台湾鉄路管理局が西部幹線で運行していた優等列車であり、自強号が登場するまでは最速の列車でした。1966年に運行を開始し、台湾の鉄道輸送において重要な役割を果たしました。現在は廃止されていますが、一部区間ではその名前が残っています。

概要



1966年10月31日、世界銀行からの借款を活用して導入されたDR2700型気動車を使用し、台北と高雄を結ぶ半直達特快車として光華号の運行が開始されました。海線経由の列車は、途中停車駅が台南駅のみで、所要時間は4時間45分でした。当時の台湾において、光華号は最速の地上交通手段でした。

運行開始当初の光華号では、車内での食事サービスも提供されており、1970年の経済日報によると、2002列車では食事付きの乗車券が販売されていました。初期の乗車券価格は、台北から台中が71元、台北から台南が138.5元、台北から高雄が158元、台南から高雄が20元でした。

命名



DR2700型気動車の導入に際し、台湾鉄路管理局は一般公募で愛称を募集しました。1966年3月1日から15日までの間に集まった1,915通の応募の中には、鉄道の無い金門県や澎湖県からの応募も含まれていました。872もの命名案から一次選考で30案、二次選考で10案に絞られ、最終的に第6代台鉄局長の林則彬氏が「光華号」を選定し、8月10日にテレビ放送で発表されました。

応募参加者には、抽選で賞金や台北高雄間の往復乗車券などの景品が贈られました。1等賞は1,000ニュー台湾ドル、2等賞は600ニュー台湾ドル、3等賞は300ニュー台湾ドルでした。

歴史




重大事故



光華号は、運行中にいくつかの事故に見舞われました。

  • - 1966年11月4日：台北市宝慶路交差で発生した事故で、通行人1名が死亡。
  • - 1973年11月6日：2003次がトラックと衝突し、乗客1名が死亡、40名以上が負傷。この事故を契機に、現場は立体交差化され、現在の嘉義市博愛陸橋となりました。
  • - 1976年7月21日：2001次がトラックと衝突し、乗客1名が死亡。
  • - 1978年5月13日：2002次がトラックと衝突し、乗客31名が負傷。
  • - 1979年1月22日：3086次がトラックと衝突し、運転士と車掌が殉職。

縦貫線光華号時刻表



1966年10月31日改訂の時刻表によると、光華号には山線経由と海線経由の2種類が存在しました。列車番号は、1967年の改編で3500系列から2000系列に変更されました。

下り


(時刻表データは省略)

上り


(時刻表データは省略)

使用車種



  • - DR2700型気動車（縦貫線、屏東線）
  • - LDR2300 / LDR2400（台東線光華号）

脚注



現在でも、台東線で活躍中のDR2700型が光華号名義で運行する場合があります。しかし、LED表示機器には「光華号」という車種表示はなく、「観光号」で代用されています。

外部リンク




光華号は、その歴史と活躍を通して、台湾の鉄道史に深く刻まれています。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。