台東線

台東線：台湾東部を繋ぐ鉄路

台東線は、台湾鉄路公司が運営する、花蓮県花蓮市から台東県台東市を結ぶ全長150.9kmの鉄道路線です。花蓮駅と台東駅を結ぶことから「花東線」とも呼ばれています。

路線データ

運営: 台湾鉄路公司
営業距離: 150.9km（花蓮 - 台東間）
軌間: 1,067mm
駅数: 26駅（起終点駅を含む）
トンネル数: 5
複線区間: 寿豊 - 光復間 (25.7km)、瑞穂 - 三民間 (9.3km)、玉里 - 東里間 (6.7km)、山里 - 台東間 (8.1km)
電化区間: 全線電化 (交流25000V、2014年6月完成)
電報略号: ㄏㄚㄉㄒ
開業日: 1910年12月16日（部分開業）、1926年3月25日（全線開業）

歴史

台東線の歴史は、日本統治時代に遡ります。1898年、台湾東部の鉄道網に関する調査が開始され、1910年に花蓮港（現在の花蓮旧駅）から璞石閣（現在の玉里）までの区間が、軌間762mmの軽便[[鉄道]]として着工しました。1917年には玉里までの区間が開業し、その後、台東開拓会社が卑南（現在の台東市）- 里壠（現在の関山鎮）間を建設、1924年に台湾総督府鉄道に買収され、台東南線となりました。1926年には公埔と池上間が開通し、花蓮～台東を結ぶ全長171.8kmの台東鉄道が全通しました。

当初は軽便[[鉄道]]であったため、花蓮 - 台東間の所要時間は旅客で7〜8時間、貨物では11時間以上かかっていましたが、ディーゼルカー導入により、所要時間は大幅に短縮されました。1968年には、新型特急「光華号」の投入により、所要時間は3〜4時間にまで短縮され、ナローゲージとしては珍しい寝台車を連結した夜行列車も運行されていました。

台東線改軌計画

1967年、台東線の輸送力強化のため、1,067mmへの改軌計画が提出されました。1978年7月1日、改軌工事が開始され、四線軌条方式で工事が進められました。1982年6月26日に全線改軌工事が完了し、翌日には台北方面からの直通列車が運行開始されました。

台東線改良計画

現在、台東線では複線化と電化が進められています。電化工事は2014年6月に完了し、新型特急「TEMU2000型電車」の投入により、所要時間が大幅に短縮されました。また、2022年9月には南平 - 萬栄間が複線化される予定です。花蓮 - 台東間および南廻線知本までの全線複線化計画も進められており、環境アセスメントも通過しています。完成すれば、区間車の所要時間が約45分短縮される見込みです。

主な改良内容

全線重軌化
自動閉塞式の採用
寿豊 - 南平間約9kmの複線化
鳳林 - 萬栄間の直線化
鳳林 - 万里渓橋間の新トンネル建設
万里渓橋新規架橋
瑞穂～舞鶴間の直線化

沿革

2007年3月30日：玉里 - 東里間が新線に移転、東里駅が新駅舎に移転、安通駅が廃止。
2013年6月27日：関山 - 瑞和間が直線化、月美駅が廃止。
2013年11月14日：新渓口トンネルが開通、旧溪口一号、二号トンネル及び溪口駅が廃止。
2014年6月28日：全線電化（交流）
2017年9月26日：新自強トンネルと新第二紅葉渓橋が開通、旧自強トンネル及び舞鶴信号場が廃止。
2018年7月10日：林栄新光駅（旧称・林栄駅）再開業。

将来

2022年9月：南平 - 萬栄間が複線化予定。

使用車両

対号列車
自強号
E1000型プッシュプル式電車
TEMU1000型電車（太魯閣号）
TEMU2000型電車（普悠瑪号）
EMU3000型（2021年より）
DR2900型
DR3000型
DR3100型
莒光号/復興号、環島之星（多客期の臨時列車）
非対号列車
区間車
EMU500

運転状況

区間車: 花蓮市、鳳林鎮、光復郷、玉里鎮、関山鎮、台東市を拠点として運行。
対号列車: 東部幹線上り列車の多くは台東を始発駅とし、一部列車は南迴線知本を始発としています。ほとんどの列車の終着駅は樹林です。東部幹線下り列車は樹林を始発として台東まで運行、一部列車は南迴線知本まで運行しています。南迴線経由の列車は、新左営・高雄・台南・台中～台東・花蓮の区間を運行しています。

駅一覧

※廃止された駅も含まれています。
背景色が■の部分は施設が供用されていないか完成していないことを示します。

線路表記
∥：複線区間、◇：単線区間（列車交換可能）、｜：単線区間（列車交換不可）、∨：ここより下は単線、∧：ここより下は複線

関連項目

掃叭トンネル
Category:台東線の鉄道駅

外部リンク

* 台東線（台湾鉄路公司）（日本語）

この台東線は、台湾東部の豊かな自然と、人々の生活を支える重要な交通インフラとして、今もなお発展を続けています。

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