光雲神社

光雲神社の概要

光雲神社（てるもじんじゃ）は、福岡県福岡市中央区の西公園に位置している神社です。この神社は、黒田家の歴史に深く根ざしており、筑前福岡藩の祖である黒田孝高（通称：龍光院殿、如水）とその子であり初代藩主の黒田長政（興雲院殿）を主な祭神として祀っています。社名は、これら両神の法名からそれぞれの一字を取ったものであることから来ています。

境内の様子

境内にはいくつかの特筆すべきスポットがあります。一つは、黒田二十四騎の一人、母里友信（太兵衛）の銅像です。銅像の下部には彼をモデルとした民謡「黒田節」の歌詞が刻まれており、神社の歴史を感じさせてくれます。また、黒田長政が愛用していた水牛の兜を模した像も見受けられます。さらに、拝殿の天井には特殊な日本画「謡鶴」があり、賽銭を入れると鶴の鳴き声が聞こえる仕掛けが施されています。これは多くの参拝者にとって、特別な体験となるでしょう。

副社と末社の紹介

光雲神社には、いくつかの摂社や末社も存在します。主要な摂社である堅盤神社（かきわじんじゃ）では、黒田重隆、黒田職隆、黒田忠之、黒田綱之、そして黒田継高の娘、厚姫（醍醐冬香許嫁）を祀っています。さらに、末社の荒津神社（あらつじんじゃ）には神武天皇や大物主神、金毘羅神が、そのほか日吉神社には大己貴神、国常立尊、正哉吾勝尊、国狭槌尊が祀られています。これらの神々も地域の信仰の中心として崇められています。

参道の歴史

光雲神社の参道は「西公園さくら参道」という愛称がつけられており、荒戸二丁目と三丁目の境界を通り、明治通りまで続いています。この約500メートルの道は、2021年1月19日に地域の自治協議会などによって名付けられました。

歴史的な背景

この神社の創建は明和6年（1766年）にさかのぼります。6代目福岡藩主の黒田継高が、初代藩主黒田長政を「武威円徳聖照権現」として福岡城二の丸に祠を設けたことが起源です。その後、黒田孝高も合祀され、その後も地域の信仰の拠り所として発展していきました。明治4年（1871年）には、黒田家の東京移転に伴い、福岡城内の祠堂から小烏吉祥院跡に新たな祠堂が設立されました。明治42年（1909年）には現在地の西公園に遷座され、昭和20年（1945年）には福岡大空襲によって全焼してしまいましたが、昭和41年（1966年）にコンクリート造りの社殿として再建されています。

光雲神社は、その歴史や文化、境内の豊かな装飾が魅力の神社です。地域の人々に愛され続けているこの神社を訪れることは、福岡の伝統を感じる貴重な体験になるでしょう。

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