児玉好弘

児玉 好弘（こだま よしひろ）氏は、1946年2月13日に山口県で生まれた元プロ野球選手です。ポジションは投手でした。

高校時代

地元の山口鴻城高等学校に進学。早くから野球部で頭角を現し、2年生だった1962年には、チームの主力投手として夏の甲子園大会のマウンドに立ちました。1回戦では、同じく主戦だった溝部睦投手との継投により、大分商業高校を相手に1対0の僅差で勝利を収め、初戦突破に貢献します。しかし、続く2回戦では愛媛県の強豪・西条高校と対戦。立教大学を経て後に鐘紡で活躍する石川洵投手と、捕手の村上公康氏（後にプロ入り）が組む強力バッテリーを前に打線が沈黙し、0対4で完封負けを喫して大会を終えました。

社会人時代

高校卒業後は社会人野球に進み、日本軽金属に入社。ここでも主力投手として活躍しました。1965年のプロ野球ドラフト会議では、東京オリオンズから15位で指名を受けましたが、これを辞退し、日本軽金属に残留することを決めます。チームのエースとして奮闘を続け、1969年には実に18年ぶりとなる都市対抗野球大会への出場を果たしました。1回戦では優勝候補の一角だった日本生命と対戦。延長10回までもつれ込む熱戦を繰り広げますが、惜しくも1対3で敗退しました。

プロ入り後（阪急ブレーブス時代）

社会人での実績が評価され、1970年のシーズンオフにドラフト外で阪急ブレーブスへの入団が決まります。プロ入り翌年の1971年春のオープン戦から好投を見せ、首脳陣の期待に応えました。

公式戦では、1971年4月10日の対南海ホークス戦で8回裏からリリーフとして初登板を果たし、1回を無失点に抑えます。初勝利は同年4月25日の対近鉄バファローズ戦で、5回裏からのリリーフ登板で5回を1失点に抑える好投でした。プロでの初先発は1971年5月15日の対ロッテオリオンズ戦でしたが、こちらは3回持たずに6失点を喫し敗戦投手となっています。

プロ2年目の1972年にはキャリアハイとなるシーズン10勝を挙げ、阪急ブレーブスのリーグ連続優勝に大きく貢献しました。読売ジャイアンツとの日本シリーズでは3試合に登板。特に第2戦では同点の8回裏、緊迫した場面でマウンドに上がりますが、相手の堀内恒夫投手に勝ち越しとなるタイムリー二塁打を浴びてしまい、これが決勝点となり敗戦投手となってしまいました。

移籍と晩年

阪急で活躍した後、1974年のオフにトレードが成立。白石静生投手と大石弥太郎投手に加え、宮本幸信投手、渡辺弘基選手と共に、広島東洋カープへ移籍することになります。しかし、カープではあまり登板機会に恵まれませんでした。

さらに1976年には金銭トレードで太平洋クラブライオンズへ移籍しますが、ここではわずか3試合の登板にとどまり、その年限りで現役を引退することを決意しました。

投球スタイル

投球フォームはオーソドックスな本格派のオーバースローでした。持ち球はストレートの他に、カーブ、シュート、スライダーといった変化球を投げ分けました。特にシュートとスライダーを効果的に使った組み立てを得意としていました。球速こそ特別速くはありませんでしたが、その分、安定した制球力を最大の武器としていました。

現役引退後

プロ野球選手を引退した後は、実業界に転身。現在は、埼玉県入間市を拠点とするアルミ建材とガラス製品を取り扱う企業の取締役を務めています。

背番号の変遷

阪急ブレーブス時代：31（1971年 - 1974年）
広島東洋カープ時代：23（1975年）
* 太平洋クラブライオンズ時代：34（1976年）

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