入来院明雅

入来院明雅（いりきいん あきまさ）

入来院明雅は、江戸時代中期に活躍した薩摩藩士であり、薩摩入来領主、入来院氏の22代当主です。

生涯

1672年、薩摩藩主・島津光久の十七男として誕生しました。幼名は虎助。1678年に元服し、虎助久重と名乗ります。

1690年、父・光久の参勤交代に随行して江戸に下ります。翌年には鹿児島へ帰国しました。

1699年、藩主・島津綱貴の命により、甥にあたる入来院規重の家督を相続し、主馬重矩と改名します。その後、二番組頭および御番頭に就任し、藩政に携わりました。1701年には大隅国蒲生地頭職となり、領地を治めます。1702年、綱貴から唐草十文字の家紋を賜り、入来院家の定紋としました。同年、川上久尚の娘を正室に迎えます。

1704年、綱貴の参勤交代に先立ち、横目頭、御番頭として江戸に下向しました。同年、藩主が島津吉貴に代わると、吉貴の家督相続の御礼言上のための登城に随行し、将軍徳川綱吉に拝謁しました。1705年、吉貴の帰国に随行し、その後、大隅帆佐田地頭職に任じられました。横目役を辞し、二番組頭に復帰しました。

1708年、吉貴の参勤交代に先立ち、御番頭として先発隊を率いて江戸に下ります。翌年、吉貴の帰国に随行しましたが、眼病を患い療養を余儀なくされました。1710年、病が癒え三番組頭に任じられました。

1714年、領内巡検を行った吉貴を入来で迎えました。1722年には、藩主・島津継豊の初入部を出迎える役目を果たしました。1725年、将軍世子・徳川家重の諱を憚り、明雅と改名しました。1731年には、六番組頭兼帆佐田地頭職に就任しました。

1735年3月25日、64歳で亡くなりました。

入来院明雅は、藩主の信頼も厚く、藩政において重要な役割を担いました。入来院家の当主として、領地経営にも尽力しました。その生涯は、薩摩藩の歴史において重要な一ページを刻んでいます。

参考文献：「入来村史」

もう一度検索