入田親誠

入田親誠（にゅうた ちかざね）

入田親誠は、戦国時代に大友氏に仕えた武将であり、入田氏の10代当主です。彼は津賀牟礼城の城主を務めました。

生涯

入田親誠は、大友氏の一族である入田氏の一員として、入田親廉の長男として生まれました。入田氏は、大友氏の有力な一族であり、直入郷入田の地を領していました。

親誠は、大友義鑑に寵愛され、その側近として重用されました。義鑑は親誠を、嫡男である義鎮（後の大友宗麟）の傅役（教育係）に任じました。しかし、親誠と義鎮はそりが合わず、不仲であったとされています。また、義鑑自身も義鎮よりも三男の塩市丸を後継者にしたいと考えていたため、親誠は義鑑と共謀して義鎮の廃嫡を目論むようになりました。

義鑑は、義鎮を支持する重臣たちを次々と排除し、強引に塩市丸を後継者にしようとしました。しかし、天文19年（1550年）に、義鎮派の重臣たちによるクーデター「二階崩れの変」が勃発します。この変で塩市丸は殺害され、義鑑自身も重傷を負いました。最終的に、義鑑は義鎮と和解し、家督を譲って死去しました。

義鎮が当主となると、親誠は二階崩れの変の黒幕とされ、義鎮の命令を受けた娘婿の戸次鑑連（後の立花道雪）らによって討伐されることになりました。親誠は肥後国へ逃亡し、岳父である阿蘇惟豊に庇護を求めましたが、惟豊は親誠の行為を嫌悪し、彼を殺害しました。

親誠の父である入田親廉も、二階崩れの変で討たれたとされています。しかし、変の発生時、親廉は加判衆の筆頭、つまり大友氏の筆頭重臣であったため、親誠よりも親廉の方が、排除の主要な対象であった可能性も指摘されています。

親誠の死後、入田氏は所領を失い没落しました。親誠の嫡男である義実（宗和）は浪人となりましたが、天正8年（1580年）頃に大友氏への帰参を許され、一部の所領を回復しました。しかし、その後も冷遇されたため、天正14年（1586年）の豊薩合戦では島津氏に内通し、南郡衆（豊後国南部を治める志賀氏ら有力国人）の寝返り工作に大きく関与し、大友氏に大きな損害を与えました。

入田親誠は、大友氏の家督争いに深く関わり、最終的に悲劇的な結末を迎えた人物です。彼の行動は、入田氏の没落を招き、その後の歴史に大きな影響を与えました。

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