入間広成

入間広成の生涯と功績

入間広成（いるま の ひろなり）は、奈良時代から平安時代初期にかけて活躍した貴族であり、彼の官位は従五位下および造東大寺次官であった。広成は武蔵国入間郡に生まれ、彼の出自は物部直氏に由来しており、聖徳太子の舎人である物部兄麻呂と関係する一族とされている。また、物部直氏は天穂日命の17世孫とされるため、広成は古代から続く氏族の末裔でもあった。

経歴と軍事活動

彼の活動は、天平宝字8年（764年）に発生した藤原仲麻呂の乱において特に際立つ。広成はこの乱では授刀舎人という官職にあり、藤原仲麻呂側の軍が越前国へ逃れる際に、彼らを阻止し退却させる功績を残した。この功により、広成は勲五等に叙勲される。その後、神護景雲2年（768年）には、彼とその一族が物部直から入間宿禰に改姓した。

広成の官位の昇進は止まることなく、天応元年（781年）には征夷の功労が認められ、外従五位下に叙せられる。翌年には陸奥介に任命され、征東軍監などの要職を歴任。延暦7年（788年）には、蝦夷征討における副将軍に任命され、同年の6月には大規模な軍事作戦を指揮することになる。

蝦夷征討とその結果

彼が指揮した軍事作戦は目的地の陸奥国胆沢に向かうもので、その際には北上川を渡河する大規模な作戦であった。しかし、蝦夷の軍勢に囲まれる形で大敗を喫し、広成はその責任を問われることとなる。特に当時の状況を鑑みると、彼自らは陣地に留まり部下の指揮を執らなかったことが大敗の要因として挙げられ、朝廷から厳しい批判を受ける。

しかし、具体的な処罰は受けず、翌延暦9年（790年）には再び従五位下、常陸介に叙任されるなど、その後の政治生活も続ける。その後も政界での地位を確立し、延暦18年（799年）には造東大寺次官に任ぜられ、東大寺の建立に貢献した。

官歴

広成の官歴は以下の通りである。

• - 神護景雲2年（768年）7月11日：物部直から入間宿禰に改姓
• - 天応元年（781年）9月22日：外従五位下
• - 延暦元年（782年）6月17日：陸奥介
• - 延暦3年（784年）2月：征東軍監
• - 延暦7年（788年）2月14日：近衛将監。3月21日：征東副使（副将軍）
• - 延暦9年（790年）2月26日：従五位下（内位）。3月10日：常陸介
• - 延暦18年（799年）3月10日：造東大寺次官

広成の生涯は、彼が歴史の大きな変動の中でどのように活動し、どのように評価されたのかを示す重要な事例である。彼の貢献は、日本の歴史において重要な位置を占めており、その存在は多くの歴史の中で語り継がれている。

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