内位

内位（ないい）

内位とは、日本の律令制度において、位階制度の中核をなす序列のことです。文位（ぶんい）とも呼ばれます。地方豪族に与えられる外位や、武功によって授けられる勲位と区別されます。

概要

内位は、正一位から少初位下までの30段階に分かれています。さらに、親王に授けられる品位も広義には内位に含まれます。成立時期は明確ではありませんが、天智・天武天皇の時代から、貴族の身分を示す指標として機能していたと考えられています。

正一位から従五位下までの14階は、天皇から直接授けられる勅授（ちょくじゅ）とされ、諸王の叙位や、諸臣における貴族身分の位置づけに用いられました。一方、正六位上から従八位下までの12階は奏授（そうじゅ）、初位の4階は判授（はんじゅ）とされていました。これらは主に、中央官司に仕える者や、地方に派遣される外官などを対象としていました。

時代が下るにつれて、中央でも有力な一部の家系が上位の内位を独占し、蔭位（おんい）の恩恵を受けることで、その地位を世襲し、維持するようになりました。これにより、内位は貴族の家柄を固定化する側面も持つようになりました。

内位は、律令国家における官僚制度、貴族社会の構造を理解する上で重要な要素です。

参考文献

野村忠夫「内位」『国史大辞典 10』（吉川弘文館・1989年）ISBN 978-4-642-00510-4
野村忠夫「内位」『平安時代史事典』（角川書店・1994年）ISBN 978-4-04-031700-7
* 吉川真司「内位」『日本歴史大事典 3』（小学館・2001年）ISBN 978-4-09-523003-0

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