全国ジャナタ・ダル

全国ジャナタ・ダル（RJD）

全国ジャナタ・ダル（Rashtriya Janata Dal、略称RJD）は、インドにおける重要な政党であり、ビハール州を中心に強い支持を得ています。1997年にラールー・プラサード・ヤーダヴによって設立されたこの政党は、ジャナタ・ダルから分派したものであり、その活動は主に中層カーストのヤーダヴとイスラム教徒を中心とした支持基盤に支えられています。そして、RJDは最近、ジャールカンド州や北東部のマニプル州およびナガランド州にも影響力を持つようになり、選挙委員会から全国政党として認定されています。

ラールー・プラサード・ヤーダヴは、かつてビハール州の州首相を務めており、汚職の疑いで逮捕された後に自派の州組織を引き連れて新たにRJDを立ち上げました。彼は州首相として活動できなくなったものの、妻のラーブリー・デーヴィーを新たな州首相として就任させ、自らは影の州首相として君臨しました。

RJDは1998年のローク・サバー総選挙において、ビハール州内で17議席を獲得しましたが、他州への影響力は乏しいものでした。翌1999年の連邦下院選挙ではインド国民会議との選挙協力を結びましたが、議席は7に減少しました。しかし、2000年のビハール州議会議員選挙では再び勝利し、ラーブリー・デーヴィーの政権を継続させました。

2004年には再度インド国民会議との選挙協力を結び、党が21議席を獲得するなどの成功を収めました。この結果、RJDは新与党連合「統一進歩同盟」の一員として、マンモハン・シン内閣の鉄道大臣にも参加することができました。特に鉄道行政に関するポピュリスト的な施策により、ラールーはメディアの注目を集め、多くの支持を得ました。

しかし、2005年のビハール州議会議員選挙では、RJDは議席を大きく失い、ジャナタ・ダル（統一派）とインド人民党から成る国民民主同盟に州政権を奪われる結果となりました。その後、RJDは2009年の連邦下院選挙でサマジワディ党などと協力しつつも、勢力を大幅に失い、議席数は4にとどまりました。この選挙の後、RJDはマンモハン・シン政権に閣外協力を申し出ました。

2019年には連邦下院選挙に臨みましたが、議席を失う結果となりました。しかし、2024年の連邦下院選挙では4議席を再獲得し、インド国民会議が主導する野党連合、インド国家開発包括同盟に参加しています。

RJDは、今後もビハール州および周辺地域において、支持を維持しつつ政党の存在感を高めることが期待されています。この政党の活動は、インドの政治における多様性を表していると同時に、地域に根ざした運動の重要性を示しています。

もう一度検索