全日本ツーリングカー選手権 (1985年-1993年)

全日本ツーリングカー選手権（JTC）概要

全日本ツーリングカー選手権（Japan Touringcar Championship、略称JTC）は、日本国内で開催される自動車レースの一つで、市販車を基に改造したツーリングカーが競い合うカテゴリーです。1985年から1993年までの間に実施され、特に1985年から1993年の初期のシリーズが注目されました。

概要

この選手権では、国際自動車連盟（FIA）が定めるグループA規定に準じて改造された市販車が使用され、セミ耐久レースとして行われました。合わせて、排気量別に3つのクラスに分けられ、勝負が繰り広げられました。例えば、富士スピードウェイでのレースには「インターTEC」という名称が付与され、1987年には世界ツーリングカー選手権（WTC）の一戦としても開催されました。

歴史

1985年

全日本ツーリングカー選手権は、1985年6月2日にスポーツランドSUGOで幕を開け、11月10日の富士スピードウェイでのレースで閉幕しました。この初年度には、トヨタのAE86型カローラレビンや日産のR30型スカイラインなどが主に参加し、多彩な車両が競い合いました。特に、最終戦のインターTECでは、ボルボ240ターボが圧倒的な強さで1-2フィニッシュを決め、その強さを印象付けました。また、初代シリーズチャンピオンはBMW635を操る長坂尚樹が獲得しました。

1986年

次の1986年には、三菱ワークスのスタリオンが本格参戦し、シリーズの競争が熾烈を極めました。この年からカムシャフトのリフト量が変更可能になり、レースの戦略が多様化しました。しかし、様々な試練も待ち受けており、特に豪雨や猛暑といった天候条件によって波乱が生じることもありました。最終的には、スカイラインを駆った鈴木亜久里がシリーズチャンピオンに輝きました。

1987年

1987年にはトヨタのMA70型スープラが新たに参戦し、日産からも進化版モデルのR31型スカイラインが投入され、ワークスチーム間での争いが本格化しました。また、グループAのワークスマシン同士の競争も激化し、特にフォードシエラRS500による圧倒的な速さが注目されました。この年のシリーズチャンピオンは、フォードシエラRS500を駆った長坂尚樹が獲得しました。

1988年から1993年

1988年から1993年にかけて、クラスの再編成とともに参加車両が徐々に絞られ、特に1990年にはR32型スカイラインGT-Rがデビューを果たし、その強さが際立ちました。GT-Rは全戦で勝利を収め、驚異的な存在感を示しました。

1993年にはグループAの最終年を迎え、参加者は減少する一方で、最終戦には多くの観客が集まり、熱気に包まれました。このように全日本ツーリングカー選手権は、多くの魅力と歴史をもったイベントとして、日本のモータースポーツシーンにおいて深い影響を及ぼしました。

主な参戦メーカーとチーム

全日本ツーリングカー選手権には、多くの自動車メーカーとチームが関与しました。日産自動車、トヨタ自動車、本田技研工業、三菱自動車工業の他、BMWやフォードなど多彩なブランドが参加しました。また、ニスモやハセミモータースポーツなどの専用チームも存在し、彼らの技術力や戦略がレースにおける競争をより白熱させました。

結論

全日本ツーリングカー選手権は、数年間にわたり多くの熱戦と競争が繰り広げられ、その歴史は今も尚、多くのモーターファンに語り継がれています。

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