兪国華

兪国華の生涯と業績

兪国華（ゆ こくか、俞國華）は、1914年1月10日に浙江省奉化県（現・寧波市奉化区）に生まれた中華民国の著名な政治家である。彼の父、兪鎮臣は蔣介石の学生時代からの友人であり、後に蔣介石の秘書としても知られている。残念ながら、兪の父は1927年、抗争の調停中に命を落としてしまった。

若き兪国華は錦渓中学や舟山の定海中学、寧波の省立第四中学を経て、上海の光華大学、さらには北京の清華大学で学び、1934年に卒業。卒業後は国民政府軍事員会に入った後、蔣介石の側近として重要な役割を果たすこととなる。

日中戦争の最中には、政治的な重要局面に立ち会い、さらなる知識の獲得を目指して1944年にアメリカのハーバード大学に留学。戦後の1946年にはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに通い、国際的な財政や金融について学ぶ。帰国後は国際復興開発銀行や国際通貨基金の理事を務めた経歴を持つ。

1955年に台湾に戻った兪は、中央信託局の局長に就任。対外貿易の促進に取り組み、日本への主要な輸出品である砂糖や塩、穀物製品の取引を奨励し、台湾経済を活性化させていった。彼の政策は従来の製品から軽工業製品へと移行し、他国市場への進出にも成功を収める。

その後の1958年、中華開発公司籌備処の主任委員に任命され、国際的な経済会議にも参加し、台湾の経済発展に寄与し続けた。1960年には中越経済合作会議に参加し、国際的な金融の発展にも貢献した。

1967年には財政部長に就任し、9年制義務教育の導入に必要な資金を調達する税制計画を実施した。1969年には中央銀行総裁に就任し、安定した金融政策を推進し、特にオイルショックによるインフレーションの抑制に成功する。

1977年には行政院経済建設委員会の主任委員として経済政策の立案に大きく関与し、台湾経済の急速な変革に向けた戦略を築いた。1984年6月、行政院長に就任し、台湾社会に大きな変化が訪れる。1987年には蔣経国総統によって戒厳令が解除され、政治や経済の面での自由化が進んだ。

その後、国民党第13次全国代表大会において親兪国華派と反兪国華派の対立が激化する中、兪国華は政治的な圧力を受けることとなり、1989年に行政院長を辞任。退任後も総統府資政として一定の影響力を保持し、1997年には国民党副主席に選出された。

2000年、肺炎のため入院し、その年の10月4日に86歳で他界。10月13日、当時の陳水扁総統は兪国華に対し、褒揚令を授与し、彼の業績を称えた。様々な場面で台湾の政治経済に貢献した兪国華は、その生涯を通じて多くの人々に影響を与えた人物である。

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