八ツ島駅

八ツ島駅：福井の住宅街に佇むえちぜん鉄道の駅

福井県福井市二の宮五丁目に位置する八ツ島駅は、えちぜん鉄道三国芦原線沿線にある駅です。駅番号はE29。現在の駅舎は、地元住民の強い要望によって新設された二代目にあたります。初代八ツ島駅は、現在の福大前西福井駅から北へ約800mの位置、日華化学前駅の向かい側の住宅地に存在していましたが、廃止されています（正確な廃止時期は不明です）。

歴史を辿る：初代と二代目

八ツ島駅の起源は、1928年（昭和3年）12月30日に三国芦原電鉄の福井口 - 芦原（現・あわら湯のまち駅）間が開通したことに遡ります。この時、初代八ツ島駅が開業しました。その後、1942年（昭和17年）8月1日には三国芦原電鉄が京福電気鉄道と合併し、同社の三国芦原線の駅となりました。しかし、1944年（昭和19年）4月20日には休止。そして、長い時を経て、地元住民の熱意ある請願により、2007年（平成19年）9月1日、日華化学前駅 - 新田塚駅間に二代目八ツ島駅が開業しました。これは、まさに地域住民の強い思いが結実した駅と言えるでしょう。さらに2016年（平成28年）3月27日には、福井鉄道福武線との直通運転が開始され、同時に低床ホームも新設されました。この直通運転開始は、地域住民の利便性向上に大きく貢献しています。

駅の構造：シンプルな地上駅

八ツ島駅は、単式ホーム1面1線の地上駅で、無人駅です。ホームの北側部分は、福井鉄道福武線への直通電車専用のホームとなっており、従来の電車専用ホームとはスロープで接続されています。開業当初は、将来的なLRT化を見据え、福井県産の間伐材を用いてコンクリート基礎を嵩上げしたホームが設置されていましたが、2016年の低床車両導入と同時に撤去され、低床ホームへと改築されました。

利用状況と周辺環境：住宅街に溶け込む駅

八ツ島駅周辺は、静かな住宅街が広がり、商業施設やフィットネスクラブなども近隣に立地しています。駅東側には、福井県道・石川県道5号福井加賀線（芦原街道）、燈明寺畷新田義貞戦歿伝説地、福井大学教育学部附属義務教育学校、スーパーマーケットバロー新田塚店などがあり、西側には福井市藤島中学校、福井大学教育学部附属特別支援学校、福井県立武道館といった施設があります。落ち着いた雰囲気の中で、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。

隣の駅

八ツ島駅に隣接する駅は、下りの日華化学前駅（E28）と上りの新田塚駅（E30）です。快速と普通列車が停車します。

参考文献

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

八ツ島駅は、歴史と地域住民の思いが凝縮された、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。周辺環境との調和も素晴らしく、地域社会にしっかりと根付いた存在と言えるでしょう。

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