八幡 (近江八幡市)

八幡は、滋賀県近江八幡市にある歴史的な地区で、その名は日牟禮八幡宮に由来します。この地は、1991年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、八幡堀、日牟禮八幡宮、新町通り、永原町通りを中心とした約13.1haの地域で、伝統的な建築物や工作物が保存されています。

歴史

八幡の歴史は、羽柴秀次が八幡山に八幡城を築城したことに始まります。秀吉の命により、琵琶湖東岸に築かれたこの城を中心に城下町が発展しました。築城時には、八幡山の掘削、沼沢地の改良、上下水道の整備など大規模な都市計画が行われ、外堀として掘られた八幡堀は、琵琶湖流通の運河としても利用されました。

江戸時代には、東海道、中山道、北国街道が交差する交通の要衝として、また近江商人の活動拠点として商業が発展しました。鎖国以前には海外に進出する商家もありましたが、鎖国後は株仲間体制の下で発展し、江戸や大坂に進出して名を馳せました。

明治時代以降、八幡は近代化の波に乗り、昭和29年（1954年）に周辺町村と合併して近江八幡市となりました。しかし、八幡御三家と呼ばれる豪商たちは、この頃から拠点を移していきました。

景観

現在も、碁盤目状の旧市街には、商家、町家、土蔵などの近世建築が残っており、歴史的な町並みを形成しています。また、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した近代建築も点在し、独特の景観を作り出しています。ヴォーリズは、八幡で英語教師として活動した後、近江兄弟社を設立し、地域に貢献しました。

主な施設

八幡堀
かわらミュージアム
新町通り
近江八幡市立資料館
旧西川家住宅（国の重要文化財）
旧伴家住宅
ヴォーリズ記念館
アンドリュース記念館（旧近江八幡YMCA会館）
旧八幡郵便局
白雲館
* 日牟禮八幡宮

八幡は、歴史的な町並みとヴォーリズ建築が調和した魅力的な地区であり、多くの観光客が訪れます。近江八幡駅からのアクセスも良く、気軽に歴史散策を楽しめます。

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