日牟禮八幡宮

日牟禮八幡宮

日牟禮八幡宮（ひむれはちまんぐう）は、滋賀県近江八幡市宮内町に鎮座する神社です。その名は「近江八幡市」の由来となり、古くから地域の人々に崇敬されてきました。

歴史

創建は、伝承によれば成務天皇元年（131年）。武内宿禰がこの地に大嶋大神（大国主神）を祀ったのが始まりとされています。その後、応神天皇が奥津嶋神社から帰る際、この地に立ち寄り、不思議な現象を見たことから祠を建て、「日群之社八幡宮」と名付けられました。

持統天皇5年（691年）には、藤原不比等が参拝し、その際に詠んだ和歌にちなんで「比牟禮社」と改められたと伝えられています。

正暦2年（991年）には、一条天皇の勅願により八幡山上に社が建立され、宇佐八幡宮を勧請して上の八幡宮を祀りました。寛弘2年（1005年）には、山麓に遥拝社が建立され、下の社と名付けられました。

室町時代には足利将軍家や六角氏からの寄進を受け、豊臣秀次による八幡山城築城の際には、上の八幡宮が下の社に合祀されました。江戸時代には徳川家康が関ヶ原の戦いの後に武運長久を祈願し、社領を寄進。その後も徳川家の庇護を受けました。

明治時代には郷社、県社を経て、昭和41年（1966年）に神社本庁の別表神社となり、神社名を現在の日牟禮八幡宮と改称しました。

祭神

主祭神は以下の三柱です。

誉田別尊（ほんだわけのみこと）：応神天皇
息長足姫尊（おきながたらしひめのみこと）：神功皇后
比賣神（ひめかみ）

境内

境内には、本殿、拝殿のほか、岩戸神社、天満宮、常盤神社など、多くの社殿が点在しています。

本殿
拝殿
岩戸神社: 橦賢木之御魂命、天疎向津姫命を祀る
天満宮: 菅原道真公を祀る
常盤神社: 天照大神、豊受大神などを祀る
宮比神社・子安神社: 天宇受売命、子安大神を祀る
大島神社: 大国主命、大鷦鷯命を祀る
繁元稲荷神社: 宇加之御魂神を祀る
八坂神社: 建速須佐雄命、少彦名神を祀る
恵比須神社: 事代主命、金山彦命を祀る

その他、能舞台や絵馬殿、楼門などがあります。

文化財

重要文化財
安南渡海船額：江戸時代の近江商人、西村太郎右衛門が奉納
木造誉田別尊坐像・木造比売神坐像・木造息長足姫尊坐像：3躯
木造男神坐像
国の選択無形民俗文化財
近江八幡の火まつり（左義長まつり、八幡まつり）
県選択無形民俗文化財
左義長まつり
八幡まつり

祭事

左義長まつり

毎年3月中旬に行われる火祭り。藁で編んだ松明に飾りを付けたものを担ぎ、町を練り歩きます。最後は境内で奉火され、燃え盛る炎が春の訪れを告げます。

八幡まつり

毎年4月14日と15日に行われる例祭。各郷から奉納された松明が焚き上げられる宵宮祭と、太鼓が宮入りする本祭があります。太鼓の打ち方は各郷で異なり、独特の伝承を持っています。

所在地・アクセス

所在地: 滋賀県近江八幡市宮内町
アクセス: JR近江八幡駅から近江鉄道バスで八幡堀（大杉町）八幡山ロープウェー口停留所下車、徒歩5分

まとめ

日牟禮八幡宮は、近江八幡の歴史と文化を今に伝える神社です。左義長まつりや八幡まつりなどの祭事は、地域の人々の熱意と伝統を感じさせてくれます。近江八幡を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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