八幡城の合戦

八幡城の合戦

八幡城の合戦は、慶長5年（1600年）に美濃国郡上郡の八幡城を巡り、遠藤慶隆・金森可重と稲葉貞通・遠藤胤直との間で行われた攻防戦です。この合戦は、関ヶ原の戦いの前哨戦ともされており、豊臣秀吉の死後の緊迫した政治状況の中で展開されました。

概要

豊臣秀吉の死後、朝廷を巡る権力闘争が激化し、慶長5年に石田三成が徳川家康に対抗して挙兵すると、美濃国でも動きがありました。岐阜城主である織田秀信が三成方に加担する中、郡上郡八幡城の城主である稲葉貞通は家康の進軍を阻止するため、犬山城に立て篭もりました。

当時、遠藤慶隆と遠藤胤直も秀信に招かれて西軍（三成方）への加担を勧められましたが、慶隆は過去に八幡城主であった際に秀吉に改易された経歴から、弟の慶胤と相談し最終的には家康側に付くことを決定します。一方、胤直は秀信に従い、上ヶ根に布陣しました。

慶隆は家康に八幡城奪還を願い出ます。家康は胤直の西軍加入を知らず、慶隆に郡上を与える勅令を出します。慶隆は佐見村に布陣し、胤直の部隊と対峙します。

戦闘の展開

戦闘の準備が整い、慶隆は兵400人を率いて出陣。飛騨川を渡り、麻ヶ滝で稲葉の守備隊を撃破し、法師丸と野尻に進軍しました。その間、金森可重が家康の命で本領の飛騨に戻り、坂本口から、別働隊が白川口から八幡城を総攻撃する計画を立てました。

8月28日に慶隆軍は兵を率いて前進し、稲葉の防備を避けながら攻撃を続け、様々な戦闘を経てついに9月1日に八幡城への攻撃を開始しました。遠藤軍は吉田川を渡り、守備側の防御を突破しましたが、城内の抵抗に遭遇し度重なる戦闘が展開されました。

金森の軍隊も城に迫り、戦闘は混乱を極めます。最終的に慶隆と可重は合流し、両軍は共同で攻撃を行う計画を立てました。しかし、日が暮れるまで勝敗はつかず、戦闘が続きました。

和議とその後

慶隆と可重は戦闘の激化を受けて和議を提案。翌日には城側へ降伏勧告がなされ、和議が成立することとなります。慶隆は愛宕山に陣を移し、そこに家康からの命が届くと、郡上一帯の安堵を確保しました。

しかし、稲葉貞通は再び八幡城に急襲を仕掛けます。慶隆の軍勢は油断していたため、被害を被るものの、何とか撤退に成功します。戦闘は互いの大きな死傷者を出しながらも終息を迎えました。

その後、稲葉貞通は豊後国に転封され、慶隆は八幡城を受け取り、全体で2万7000石を領有しました。この合戦は、東軍の勝利を確実なものとし、後の戦国時代における重要な地位を築くこととなるのです。

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