八幡岳 (佐賀県)とは？意味をやさしく解説

八幡岳は、佐賀県北西部に位置する標高763.6メートルの山で、筑紫山地に属しています。佐賀県唐津市、伊万里市、武雄市、多久市にまたがる広大な山域を持ち、その周辺は八幡岳県立自然公園として整備されています。

山体の基部は古第三紀の丘陵地帯で、その上に玄武岩が噴出して形成されています。そのため、山頂付近には断崖が多く、特徴的な景観を作り出しています。山頂には八幡大菩薩の祠が鎮座しており、これが山名の由来となっています。一説には、この祠は鎮西八郎為朝によって祀られたとも伝えられています。

八幡岳の北側中腹には、日本の棚田百選に選ばれている蕨野の棚田があります。この棚田は、国の重要文化的景観にも選定されており、八幡岳北麓の山林と一体となった美しい景観が評価されています。山頂からは、北に唐津市街や玄界灘、南に多良山系、東に女山や天山を望むことができ、360度のパノラマが楽しめます。

山頂には、佐賀県をエリアとするFMラジオ局の親局と、伊万里テレビ中継局の送信所が設置されています。また、消防組合、警察庁、MCA無線システム、電力、電話、県防災行政無線など、多くの業務無線局も設置されており、地域における重要な情報通信拠点となっています。

山腹には、佐賀県道315号川古平山上線が東西に横断しており、そこから佐賀県道323号八幡岳公園線が分岐しています。この県道323号線は、西麓の伊万里市大川町の井手口川ダムに至るルートと、山頂のテレビ中継局・無線局に至るルートの2つがあります。

八幡岳県立自然公園は、1970年に指定された県立自然公園で、面積は8.60平方キロメートルです。公園内では、登山やハイキングが楽しめます。夏季にはキャンプ場も運営され、多くの観光客が訪れます。また、中腹にある玄武岩の断崖は、ロッククライミングのスポットとしても人気があります。

山頂付近は原野となっており、初夏にはヤマツツジが咲き乱れます。北側には県内でも数少ない自然林が広がり、ケヤキ、イロハモミジ、チドリノキなど多様な樹種を見ることができます。南側にはオオキツネノカミソリが分布しており、7月頃に見頃を迎えます。

八幡岳には、テレビ中継局とFM放送所が設置されています。

この施設は、昭和30年代後半に熊本放送局が難視聴対策としてUHFテレビ中継局を設置したのが始まりです。その後、昭和40年代にNHK佐賀[[放送局]]がFM放送の送信所を設置しました。県域テレビ放送開始に伴い、テレビ中継局は佐賀局に移管されました。

デジタルテレビジョン放送は、2006年 12月1日に開始されました。開始当初の空中線電力は10Wでしたが、2007年 1月25日に100Wに増力され、放送エリアが拡大しました。

NHK-FMは1965年3月22日に試験放送を開始し、1969年3月1日に本放送を開始しました。NBC長崎放送は、2017年2月1日にFM補完中継局として本放送を開始しました。

アナログテレビジョン放送は、2011年7月25日に廃止されました。日の隈山に親局が開局する前は、八幡岳が実質的な佐賀県の親局として機能していました。テレビデジタル化に伴い、NHK総合以外のチャンネルはアナアナ変換が実施されました。

八幡岳 (佐賀県)