公営企業金融公庫

公営企業金融公庫（JFM）とは

公営企業金融公庫（Japan Finance Corporation for Municipal Enterprises、略称JFM）は、かつて存在した日本の政策[[金融機関]]です。1957年（昭和32年）に設立され、2008年（平成20年）10月1日に地方公営企業等金融機構へ改組される形で廃止されました。

公庫の概要

所在地: 東京都千代田区日比谷公園1番3号 市政会館内
設立: 1957年（昭和32年）6月1日
廃止: 2008年（平成20年）10月1日
資本金: 166億円（2005年（平成17年）3月末時点、全額政府出資）
役員構成: 総裁1名、理事3名（非常勤理事1名）、監事1名

公庫は全額政府出資の機関でしたが、利差補填引当金や借換損失引当金などを設けることで利益を調整し、設立から廃止まで一度も国庫納付を行いませんでした。

主な業務内容

公庫は、地方公共団体が運営する上水道、下水道、公営交通、病院などの公営企業や、地方道路公社、土地開発公社などが行う住民生活に密着した事業に対し、低利かつ長期の資金を供給していました。これらの貸付原資は、公庫が発行する政府保証債「公営企業債券」により調達され、地方公共団体の代わりに市場から資金を集める役割を担っていました。

2005年度末には、貸付残高が24兆7,659億円、債券残高は21兆8,252億円に達しています。

政府保証債の発行額推移

以下の表は、公庫が発行していた政府保証債の財投要求額と財投計画額の推移です。

年度	要求額(億円)	計画額(億円)
:-	--:	--:
平成12年度	-	17,520
平成13年度	-	16,770
平成14年度	16,620	15,320
平成15年度	15,310	15,310
平成16年度	15,160	13,800
平成17年度	12,650	11,700
平成18年度	10,540	10,000
平成19年度	9,640	8,500
平成20年度	7,700	7,700
平成21年度	8,500	8,200
平成22年度	8,000	7,500
平成23年度	7,300	7,100
平成24年度	7,000	8,100
平成25年度	11,400	11,700
平成26年度	7,600	6,300

※平成21年度以降は地方公営企業等金融機構の政府保証債額

地方公営企業等金融機構への改組

公営企業金融公庫は、以下の流れを経て地方公営企業等金融機構へと改組されました。

1. 政策金融改革の議論: 2002年12月に経済財政諮問会議で「政策金融改革について」が決定され、2005年11月には「政策金融改革の基本方針」が決定されました。
2. 行政改革方針の決定: 2005年12月には「行政改革の重要方針」が閣議決定され、行政改革が推進されることになりました。
3. 法整備: 2006年には「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」が公布・施行され、政策金融改革の制度設計が進められました。
4. 地方公営企業等金融機構法の制定: 2007年に「地方公営企業等金融機構法」が公布されました。
5. 機構の設立と公庫の廃止: 2008年8月には地方公営企業等金融機構が先行して設立され、同年10月1日に公営企業金融公庫は廃止され、機構が業務を開始しました。

改組の内容

改組により、以下の点が変更されました。

公営企業金融公庫は廃止され、地方公共団体が共同で出資する「地方公営企業等金融機構」が設立されました。
新機構は旧公庫の権利・義務をすべて承継しました。
新機構には、地方公共団体の首長や有識者で構成される代表者会議が設けられ、機構の運営を監督します。
新機構は、地方公共団体の資金調達環境を整備し、必要に応じて債券発行により資金を調達、地方公共団体の公営企業向けに貸付を行います。
国は、新機構への出資や保証、運営への関与は行わないことになりました。

イメージキャラクター

公営企業金融公庫では、広報活動の一環として、1997年から2005年までイメージキャラクターを起用していました。

1997年度：中森友香
1998年度：中村真理
1999年度：大谷みつほ
2000年度：西尾まいか
2001年度：北原奈々子
2002年度：栗田梨子
2003年度：柳沢なな
2004年度：若槻千夏
2005年度：星井七瀬

外部リンク

公営企業金融公庫法（廃） - ウェイバックマシンによるアーカイブ

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