六甲台町

六甲台町の概要

神戸市灘区に位置する六甲台町は、1953年（昭和27年）に高羽字嘉太夫新田、篠原字籠池山、八幡字中新田・勘太郎、水車新田字大土ケ平・蛙石・宮坂といった複数の区域を統合して誕生しました。現在では、神戸大学の広大なキャンパスが町の景観を特徴づけており、のどかな住宅街が広がっています。

地理的特徴

六甲台町は、北東に鶴甲、東から南東に一王山町、南に寺口町と赤松町、西に大土平町、篠原伯母野山町、篠原台と隣接しています。町域は丁目に細分化されておらず、単独の住居表示となっています。特徴として、神戸大学のキャンパスが町の大部分を占めている点が挙げられます。緑豊かな環境と、大学に関連する施設が点在する、穏やかな雰囲気の町です。

歴史的背景

六甲台町を構成する旧小字の成り立ちには、興味深い歴史があります。嘉太夫新田は、高羽の楠本嘉太夫が開拓した新田であり、籠池山は篠原の飛び地で、六甲川東側の入会山でした。特徴的な地名は、籠池山です。砂質の土地のため水が溜まらず、底に僅かに水が溜まっている様子を「籠の様に漏れる池」と表現したことに由来しています。中新田は、旧林新田の一部でしたが、早くから荒地と化していました。蛙石という地名は、カエルに似た形の石に由来しており、現在は自動車の通行の邪魔になるとして、水車新田の大土神社境内に移されています。

昭和初期には、神戸商業大学（現在の神戸大学の前身の一つ）の校舎が嘉太夫新田に建設されました。第二次世界大戦後には、旧神戸商大の南側に「六甲ハイツ」と呼ばれる米軍住宅が建設されました。1960年代、六甲ハイツの接収が解除された後、神戸大学は分散していたキャンパスを集約する計画を進め、工学部、文学部、理学部、農学部を六甲ハイツ跡地に移転しました。この大学の移転は、六甲台町の発展に大きく貢献しました。

人口

2020年（令和2年）の国勢調査によると、六甲台町の人口は2,068人（男性934人、女性1,134人）、世帯数は1,149世帯です。大学関係者やその家族、近隣の地域住民が暮らす、静かで落ち着いた住宅街となっています。

まとめ

六甲台町は、神戸大学のキャンパスを核として発展した、歴史と自然が共存する町です。旧小字の個性的な名前や、米軍住宅跡地への大学の移転という歴史的経緯は、この町の独特の雰囲気を形作っています。穏やかな住宅環境と、活気ある大学の研究活動が調和した、魅力的な地域と言えるでしょう。今後も、神戸大学との連携を通して、さらなる発展が期待されます。

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