六試艦上複座戦闘機

六試艦上複座戦闘機

六試艦上複座戦闘機（ろくしかんじょうふくざせんとうき）は、大日本帝国海軍によって試作された艦上戦闘機です。この機体は中島飛行機によって開発され、「NAF-1」という社内名称で知られています。

開発の背景

1931年（昭和6年）、各国が複座戦闘機に関する研究を進めていることを受けて、日本海軍はその動きに応じて具体的な研究を開始しました。中島飛行機には、艦載型の複座戦闘機を試作するよう命じられました。その際には、航空母艦への搭載が可能で、小型爆弾を使用した500 km/h以下の急降下爆撃が行えること、さらに長距離偵察飛行のための投下式増槽を搭載可能であることが求められました。

この指示に従い、設計は明川清技師を主担当として1932年夏に試作機が完成しました。改良を重ねた後、海軍による審査を経て運用されましたが、1933年4月8日に試作機は故障し不時着大破してしまいます。その結果、翼間支柱の設計をN字型からI字型に改めた二号機が製作されました。

試作機の評価とその後

性能の面では優れていたものの、最終的にはこの機体は不採用となり、機体開発は八試複座戦闘機へと移行することとなりました。しかし、六試艦上複座戦闘機の開発は、全金属製骨組の設計や工作に関して、非常に有益な経験となりました。この知見は後の八試複座戦闘機に限らず、九五式水上[[偵察機]]や九五式[[艦上戦闘機]]の開発にも活かされることとなりました。

試作機2機は、審査の終了後、朝日新聞社に払い下げられてAF型通信連絡機として運用されました。

機体設計と性能

この機体は、胴体が全金属製で、翼は木金混合の骨組みに羽布張りの複葉機という特徴を持っています。また、降着装置は固定脚が採用されました。六試艦上複座戦闘機は、同クラスの複座戦闘機に比べて優れた性能を誇り、当時の単座戦闘機である九〇式[[艦上戦闘機]]と比較しても、最大速度は同等であった一方、航続力においては上回っていました。

主要諸元

以下は、六試艦上複座戦闘機の主要諸元です（AF型時のもの）:

• - 全長: 7.26 m
• - 全幅: 10.30 m
• - 全高: 2.85 m
• - 主翼面積: 26.35 m²
• - 自重: 1,233 kg
• - 全備重量: 1,710 kg
• - エンジン: 中島 寿二型 空冷星型9気筒（最大580 hp）×1
• - 最大速度: 300 km/h
• - 巡航速度: 185 km/h
• - 実用上昇限度: 6,250 m
• - 航続距離: 850 km
• - 武装: 7.7mm固定機銃 ×1、7.7mm旋回機銃 ×1
• - 乗員: 2名

この機体の開発は、戦闘機の進化に寄与した重要な一歩であったと言えるでしょう。

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