兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線

兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線（ひょうごけんどう・おかやまけんどう90ごうあこうさえきせん）は、兵庫県南西部から岡山県東部にかけて、およそ東西方向に走る主要地方道です。兵庫県赤穂市の海沿いから始まり、北上し、岡山県に入って南下しながら和気郡和気町に至ります。この路線は、両県の県境を越える重要な地域間連絡道路としての役割を担っています。

概要

この道路は、兵庫県赤穂市砂子の坂越橋西交差点を起点とし、岡山県和気郡和気町塩田で国道374号に接続する地点を終点としています。その全長にわたって多様な地域を通過し、沿線の住民生活や産業活動を支えています。特に岡山県側では、地域の経済発展や利便性向上を目指し、この県道の一部区間を国道484号へ編入することを求める活動が、沿線自治体や関係団体によって行われています。

路線データ

起点: 兵庫県赤穂市砂子（坂越橋西交差点） - 国道250号上、兵庫県道227号坂越停車場線が交差しています。
終点: 岡山県和気郡和気町塩田 - 国道374号に接続します。

歴史

兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線は、比較的新しい主要地方道としての指定を持つ路線ですが、その歴史は既存の重要な道路に深く根ざしています。前身となるのは、1976年（昭和51年）4月1日に建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道として指定された「兵庫県道78号・岡山県道10号赤穂建部線」の一部区間です。

赤穂建部線は、兵庫県赤穂市と当時の岡山県御津郡建部町（現在は岡山市北区の一部）を結んでいました。しかし、1993年（平成5年）4月1日の道路法改正に伴う見直しにより、赤穂建部線のうち、岡山県和気郡佐伯町（現在の和気町の一部）から岡山県御津郡建部町までの区間が、新たな国道である国道484号として昇格しました。これにより、赤穂建部線の残された区間、すなわち兵庫県赤穂市から岡山県和気郡佐伯町までの間が、新たな主要地方道として位置づけられることになりました。

この残存区間は当初、「兵庫県道78号・岡山県道10号赤穂佐伯線」という名称で呼ばれていましたが、県道の路線番号が変更されることになります。兵庫県においては、1993年（平成5年）12月20日に先行して90号へ変更されました。そして、1994年（平成6年）4月1日からは、正式に「兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線」として、現在に至る路線名称と路線番号が確立されました。

なお、新しい主要地方道としての赤穂佐伯線自体も、1993年（平成5年）5月11日に改めて建設省から主要地方道として指定されています。

路線状況

通称

岡山県内の区間の一部は、「岡山中部縦貫道路」という通称で呼ばれることがあります。これは、地域の骨格的な幹線道路として期待されていることを示しています。

重複区間

本路線は、途中のいくつかの区間で他の国道や県道と重複しています。主な重複区間は以下の通りです。

国道250号: 兵庫県赤穂市砂子（坂越橋西交差点）から兵庫県赤穂市浜市（坂越大橋西詰交差点）にかけての短い区間。
国道2号: 兵庫県赤穂市東有年（東有年交差点）から兵庫県赤穂市西有年（有年小学校南交差点）までの比較的長い区間。
岡山県道368号吉永下徳久線: 岡山県備前市吉永町都留岐の一部区間。
岡山県道46号和気笹目作東線: 岡山県備前市吉永町都留岐から岡山県美作市滝宮に至る比較的長い区間。

地理

通過する自治体

本路線が通過する自治体は以下の通りです。

兵庫県: 赤穂市、赤穂郡上郡町
岡山県: 備前市、美作市、和気郡和気町

沿線にある主な施設・地形

千種川: 兵庫県内を流れる主要な河川です。
岡山国際サーキット: 岡山県美作市にある国際規格のレーシングサーキット（旧称: TIサーキット英田）。
吉井川: 岡山県を流れる三大河川の一つです。

兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線