内山峠 (群馬県・長野県)

内山峠とは

内山峠は、群馬県甘楽郡下仁田町と長野県佐久市の境界に位置する峠です。国道254号がこの峠を越え、旧道と新道の2つのルートが存在します。また、荒船山の代表的な登山口である内山峠登山口があり、登山道は下仁田ジオパークのモデルコースにもなっています。

旧道の歴史と特徴

旧道は、1920年に県道富岡野沢線として認定された区間がその起源です。その後、1939年には軍事重要道路として整備され、現在の旧道の原型が完成しました。1963年には二級国道254号に指定され、多くの車両が佐久方面への抜け道として利用しました。かつては上信電鉄のバスも神津牧場へ向かうためにこの道を利用し、カーブには番号を記した石柱が残っています。しかし、旧道は急勾配、狭路、九十九折りといった問題を抱えており、高度経済成長期のモータリゼーションに対応できなくなってきました。1989年に新道が開通すると、旧道は地元住民などが利用する程度となりました。現在、長野県側は一般国道の指定から外れていますが、県道44号の標識とともに国道254号の標識も設置されています。

2007年9月には台風9号の影響で道路欠落や土砂崩れが発生し、一時的に通行止めになりましたが、その後復旧しています。冬季は路面凍結の危険があるため、毎年12月1日から翌年3月31日まで一部区間が通行止めとなります。

新道の開通

国道254号の新道は、旧道の抱える問題を解消するために建設されました。新道の開通により、特にトラックなどの大型車両の通行が大幅に増加しました。道幅は旧道よりも広く、登坂車線も整備されています。群馬県側はやや急勾配で急カーブもありますが、県境にある内山隧道を抜けると、なだらかなカーブと見通しの良い道に変わります。群馬県側から内山隧道を抜けてすぐ左手には旧道への出入口がありますが、通行する車両はほとんどありません。

新道は交通量の多い道路ですが、峠を通るため、雨や雪、霧などの影響で通行止めになることもあります。2007年9月の台風9号では、旧道が通行止めになりましたが、新道は特に被害を受けることなく通行できました。また、この時、国道18号の碓氷バイパスが一時的に通行止めになったため、新道に交通が集中したこともありました。

峠付近からは、軍艦のような形をした荒船山の艫岩を眺めることができます。

付近の観光スポット

内山峠周辺には、内山隧道や内山峡などの観光スポットもあります。これらのスポットは、峠を訪れる人々に自然の美しさと歴史を感じさせてくれます。

まとめ

内山峠は、歴史的な旧道と現代的な新道が交差する、交通と観光の両面で重要な場所です。荒船山の登山口としても知られ、多くの人々に親しまれています。

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