内川朝陽

内川 朝陽（うちかわ あさひ）

2002年4月17日生まれ。ジャパンラグビーリーグワンのNECグリーンロケッツ東葛に所属するプロラグビーユニオン選手。

若き日の歩み

ラグビーへの道は、福岡県久留米市のりんどうヤングラガーズで始まった。中学時代はラグビーに加え、水泳や陸上競技といった他のスポーツにも積極的に取り組み、身体能力を磨いた。その後、隣県佐賀県の強豪校である佐賀県立佐賀工業高等学校に進学。早くからその才能を発揮し、2年次にはロックとして全国高等学校ラグビーフットボール大会（通称：花園）の舞台を踏んだ。最終学年ではチームを牽引するキャプテンを担い、リーダーシップを発揮した。

大学での挑戦と試練

2021年に関東学院大学へ進学。ラグビー部では1年次からバックロー（フランカー、ナンバーエイト）として頭角を現し、関東大学リーグ戦において早くも4試合に出場するなど、チームの主要メンバーとして期待された。しかし、大学2年次の夏、菅平での練習試合中に右膝前十字靭帯を断裂するという選手生命を脅かす重傷を負う。同年10月に手術を受けるも、術後にコンパートメント症候群を発症。深刻な容態に陥り、生命に関わる危険な状況から脱するため、約2ヶ月にわたり集中治療室での過酷な集中治療を余儀なくされた。この間、選手としてのキャリアが危ぶまれるほどの困難な闘病生活を送った。

苦難からの不死鳥

幾多の困難を乗り越え、不屈の精神力と懸命なリハビリを経て、内川選手はグラウンドへの復帰を目指した。そして2023年11月、実に1年4ヶ月ぶりとなる公式戦で復活を遂げる。この復帰は、彼自身の強い意志と周囲の支えの結晶であった。同年12月に行われた拓殖大学との入替戦では、チームの1部昇格がかかる重要な局面でトライを挙げ、その劇的な勝利と昇格に大きく貢献した。この活躍は、長期の怪我と病気からの完全復活を印象付けるものとなった。最終学年となった4年次には、由比藤聖とともに共同キャプテンとしてチームを牽引。苦難を乗り越えた経験をチームに還元し、精神的な柱としても貢献した。

プロキャリアの始動

大学での輝かしい復活と貢献を経て、2025年1月23日、ジャパンラグビーリーグワンに所属するNECグリーンロケッツ東葛へのアーリーエントリーでの加入が正式に発表された。同年3月に関東学院大学を卒業後、プロ選手としてのキャリアを本格的にスタートさせる。高校、大学でのキャプテン経験や、選手生命に関わる大怪我・病気を乗り越えた経験は、プロの舞台でさらにその真価を発揮するだろう。強靭なフィジカルと高いリーダーシップを兼ね備えた内川朝陽選手の、今後のさらなる活躍が期待されている。

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