内海突破

内海 突破（うつみ とっぱ）

内海突破は、日本の漫才師としての名跡であり、特に初代と2代目が知られています。初代内海突破は1915年に誕生し、本名は木村貞行（きむら さだゆき）で、愛媛県南宇和郡内海村に生まれました。彼の芸人人生は特に映画やラジオに多くの足跡を残しています。どのような経歴を持っていたのでしょうか？

初代内海突破の生涯と活動

初代内海突破は、父が御荘金吾だったことから、幼少期から芸能の世界に触れる機会が多くありました。浪華商業学校、さらに関西大学を卒業後、大阪市港湾局に勤務していましたが、次第に漫才師としての夢を捨てきれず、高校時代の同級生である西条凡児に弟子入りしました。

1936年、西条凡々としてデビューし、すぐにその才能が開花。故郷の内海村から名を受け継ぎ、内海突破として活動を開始しました。その後、吉本興業に所属し、1940年ごろには横山エンタツや花菱アチャコと並び称される人気漫才師となり、1941年には東宝演芸部にも抜擢されました。

復員後も相方・一路とともに活躍し、1949年にはNHKラジオの『陽気な喫茶店』で松井翠声との掛け合いが大きな人気を集めましたが、この頃に自身のコンビを解散し、その後はピン芸人として活動の幅を広げました。彼の名セリフ「ギョッ」「ギョギョギョのギョッ！」は、日本中に広がる人気を博し、流行語ともなりました。

映画出演と舞台での活躍

内海突破は、映画界にも足を入れ、1947年の『素晴らしき日曜日』を皮切りに、数多くの作品に出演しました。『淑女と風船』（1950年）、『歌姫都へ行く』（1950年）、『恋愛台風圏』（1950年）、『月が出た出た』（1951年）など、1950年代にかけて多くの映画で存在感を示し続けました。彼は特にコメディー映画において数多くの役をこなし、脇役としても多様な魅力を発揮していました。

2代目内海突破の誕生

2代目内海突破は初代の実弟で、本名は木村三郎です。彼は1917年に愛媛県で生まれ、兄に師事して芸人としての道を歩み始めました。1950年、浅草松竹演芸場にて宇和島三郎・四郎の三郎としてデビューした後、徐々に「内海突破」を襲名しましたが、この襲名には反対の声もあったとされています。

普段は派手な舞台衣装を着用し、伊達メガネを着けるところが特徴であり、ポケットからハンカチを取り出して笑いを誘うスタイルで観客を楽しませました。喫茶店の経営も行っていた彼ですが、近年は表舞台から距離を置いているようです。

まとめ

内海突破という名跡は、漫才の歴史において重要な位置を占めており、初代から続くその伝承が現在でも引き継がれています。お笑いの世界における彼らの功績は、今なお多くの人々に親しまれ、記憶に残る存在であり続けています。

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